マディヤ・プラデーシュ州

マディヤ・プラデーシュ州は、インドの中央に位置する州であり、「中央の州」を意味します。州都はボーパール、最大の都市はインドールです。他にもグワリオル、ジャバルプル、ウッジャインなどの主要都市が存在します。面積は308,144平方キロメートルで、インドの州の中で2番目の広さを誇り、人口は7200万人以上と5番目に多い州です。かつてはインド最大の州でしたが、2000年にチャッティースガル州が分離しました。

地理的には、北東でウッタル・プラデーシュ州、東でチャッティースガル州、南でマハーラーシュトラ州、西でグジャラート州、北西でラージャスターン州と隣接しています。

歴史を紐解くと、古代にはアヴァンティ国がウッジャインを首都として栄えました。近世の18世紀にはマラーター王国の支配下にありましたが、マラーター戦争を経て、19世紀には藩王国や中央州、中央インド直轄領に再編されました。インド独立後、中央州およびベラールがマディヤ・プラデーシュ州と改称され、現在のマディヤ・プラデーシュ州の南部とマハーラーシュトラ州の北部を構成していました。当初の州都はナーグプルに置かれていました。1956年の地方行政区画再編でマディヤ・バーラト州、ヴィンディヤ・プラデーシュ州、ボーパール州と合併し、現在のマディヤ・プラデーシュ州が誕生しました。この際、マラーティー語が主要言語であったヴィダルバ地方はボンベイ州に移管されました。

経済面では、州内総生産はインドの州で10位の9兆1700億ルピー、一人当たりの州民総生産は26位の10万9372ルピーとなっています。近年は全国平均を上回る経済成長を遂げています。人間開発指数はインドの州で23位です。

この州は、ダイヤモンドや銅などの鉱物資源に恵まれており、州の25.14%が森林で覆われています。主要都市としては、ボーパールの他にチャタルプルなどがあります。

行政区分としては、以下の10の区分に分かれています。

ボーパール管区 (Bhopal division)：ボーパール県、ラーイセーン県、ラージガル県、スィーホール県、ヴィディシャー県
チャンバル管区 (Chambal division)：ムライナー県、シヴプル県、ビンド県
グワーリヤル管区 (Gwalior division)：アショークナガル県、シヴプリー県、ダティヤー県、グナー県、グワーリヤル県
インドール管区 (Indore division)：アリラージプル県、バルワーニー県、ブルハーンプル県、ダール県、インドール県、ジャーブアー県、カンダワー県、カルゴーン県
ジャバルプル管区 (Jabalpur division)：バーラーガート県、チンドワーラー県、ジャバルプル県、カトニー県、マーンドラー県、ナルスィンハプル県、スィヴニー県
ナルマダープラム管区 (Narmadapuram division)：ベートゥル県、ハルダー県、ホーシャンガーバード県
リーワー管区 (Rewa division)：リーワー県、サトナー県、スィーディー県、シングラウリー県
サーガル管区 (Sagar division)：チャッタルプル県、ダモー県、パンナー県、サーガル県、ティーカムガル県
シャードール管区 (Shahdol division)：アヌーププル県、ディンダウリー県、シャードール県、ウマリヤー県
ウッジャイン管区 (Ujjain division)：デーワース県、マンドサウル県、ニーマチ県、ラトラーム県、シャージャープル県、ウッジャイン県

また、1970年代には州内で粗悪な酒類が流通し、1976年にはメチルアルコール入りの密造酒による中毒死事件が発生しました。2020年には、バッタが大量発生し、農作物に大きな被害が出ました。

マディヤ・プラデーシュ州は、その地理的な位置、歴史的な背景、そして豊富な資源によって、インドの中でも重要な位置を占める州の一つです。近年は経済成長も著しく、今後ますます発展が期待されています。

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