マヨイアイオイクラゲ

マヨイアイオイクラゲ：深海に漂う巨大な群体

マヨイアイオイクラゲ（学名: Praya dubia）は、クダクラゲの一種であり、その全長は時に40メートルを超えることがあります。これは、世界最長級の動物の一つとして知られています。ただし、北欧に生息するLineus longissimusという紐形動物は、全長55メートルに達した記録があり、長さの記録ではマヨイアイオイクラゲはこれに及ばないことが知られています。

発見と生態の謎

マヨイアイオイクラゲの存在は19世紀には既に知られていましたが、モントレー湾水族館研究所が1987年に行った調査によって、その驚異的な体長が明らかになりました。しかし、その体は非常に繊細で崩れやすく、生きたまま捕獲することはいまだに成功していません。そのため、生態に関する詳しい情報は限られています。

複雑な構造を持つ群体

マヨイアイオイクラゲは、他のクダクラゲ類と同様に、多数の個体（個虫）が集まって一つの群体を形成しています。それぞれの個虫は、摂食、攻撃、防御など、特定の役割に特化しています。群体の先頭には2つの泳鐘（nectophore）があり、その後ろには刺胞を持つ無数の栄養個虫群が一本の長い帯のように連なっています。体色は通常、白色から透明です。

発光現象

マヨイアイオイクラゲは、青色の生物発光を行うことが知られています。無人探査機（ROV）による観察では、群体の一端に接触した後、ライトを消すと、群体全体が約45秒間光る様子が確認されています。この発光は、保護葉から発せられていると考えられています。深海でこの光景を目にしたら、さぞ幻想的でしょう。

分布

マヨイアイオイクラゲは、太平洋、大西洋、インド洋、南極海といった広範囲に分布していますが、北極海や地中海には生息していません。主に表層から中深層にかけて生息しています。

アイオイクラゲ属の特徴

マヨイアイオイクラゲが属するアイオイクラゲ属は、2つの丸い泳鐘を持ち、複雑に分岐した体嚢 (Somatocyst) を持つことで特徴付けられます。アイオイクラゲ属には、本種であるP. dubiaの他に、Praya reticulataが属しています。泳嚢 (nectosac) の水管が、P. dubiaでは分枝状であるのに対し、P. reticulataでは網目状になる点が異なります。

まとめ

マヨイアイオイクラゲは、その巨大な体長と発光現象で私たちを魅了する深海の生物です。未だ多くの謎に包まれていますが、今後の研究によって、その生態がより深く理解されることが期待されます。

参考文献

• - 峯水亮他、『日本クラゲ大図鑑』、2015年、平凡社、ISBN 978-4-582-54242-4

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