マリヤ・スターリツカヤ

マリヤ・スターリツカヤ：リューリク朝最後の血

マリヤ・スターリツカヤ（1560年頃 - 1610年5月13日）は、モスクワ・ロシアの激動の時代を生きた女性です。父はイヴァン4世の従兄弟にあたるスターリツァ公ウラジーミル、母は公女エウドキヤ・オドエフスカヤであり、モスクワにおけるリューリク朝の最後の直系子孫でした。

波乱の生涯

マリヤの人生は、幼い頃から悲劇に見舞われました。両親はイヴァン4世によって処刑され、兄弟姉妹も亡くなったため、スターリツァ公家で唯一の生き残りとなりました。

1574年、イヴァン4世はリヴォニア戦争の戦略の一環として、デンマーク王クリスチャン3世の王子であるリヴォニア王マグヌスを傀儡として擁立しました。そのマグヌスとマリヤは、同年4月12日にノヴゴロドで結婚しました。

しかし、夫マグヌスは程なくして死去。敵に囲まれたマリヤは窮地に陥りますが、イングランド人使節ジェローム・ホーセイによってクールラントから救出され、モスクワの摂政ボリス・ゴドゥノフの元へ連れ戻されました。

ホーセイはマリヤとの結婚を望んだものの、ボリスはイングランド人であり騎士の身分に過ぎないホーセイとの結婚を許しませんでした。その後、マリヤは至聖三者聖セルギイ大修道院の近くにある女子修道院に入りました。

1609年、マリヤは動乱の時代にツァーリを僭称した偽ドミトリー2世の支持者になったとされています。

家族

マグヌスとの間には2人の娘がいましたが、いずれも夭逝しました。

マリー（1580年頃 - 1597年頃）
ユードクシア（1581年頃 - 1588年頃）

マリヤ・スターリツカヤは、政争と策略が渦巻く時代に翻弄されながらも、自らの運命を生き抜いた女性でした。リューリク朝の血を引く彼女の生涯は、ロシア史における重要な一幕として、今も語り継がれています。

外部リンク

* マリヤの家系

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