マリーゴールド (女子プロレス)

マリーゴールド

DREAM STAR FIGHTING MARIGOLD（ドリーム・スター・ファイティング・マリーゴールド）は、日本の女子プロレス団体です。略称として「MARIGOLD」や「D.S.F. MARIGOLD」が用いられ、株式会社マリーゴールドによって運営されています。

団体の概要と設立経緯

プロレス団体スターダムの創業者であるロッシー小川氏は、2024年2月にスターダムとの契約を解除された後、新たな女子プロレスの舞台としてマリーゴールドの設立を構想します。そして同年4月15日、都内で記者会見を開き、新団体の旗揚げを正式に発表しました。会見には、スターダムから契約期間満了で退団した林下詩美、ジュリア、MIRAI、桜井まい（現：桜井麻衣）、弓月（現：ビクトリア弓月）といった主力選手に加え、高橋奈七永、石川奈青が登壇。さらに、かつてアクトレスガールズで活躍した風香氏（元アドバイザー）や、退団を発表していた青野未来、澄川菜摘（現：翔月なつみ）、松井珠紗、皇希（現：天麗皇希）、後藤智香、CHIAKIらが会見場に駆けつけ、旗揚げ戦への参戦を熱望しました。後に彼女たちは正式に所属選手として迎え入れられます。

設立に関わった小川氏、高橋氏、風香氏は、奇しくもかつてスターダムの立ち上げにも深く関わった人物たちです。スターダムの中心選手である岩谷麻優選手は、新団体を「岩谷麻優の生みの親が一度離婚して再婚した」と独特な表現で評し、その関係性を示唆しました。

団体名については、代表のロッシー小川氏があいみょんの楽曲『マリーゴールド』のファンであることに由来します。この花が太陽の強い力や、人の内面に宿る力、強さ、光を象徴することから、「太陽のように力強く輝く団体でありたい」という願いが込められています。

現在のところ、マリーゴールドは専用の練習道場を持っていません。そのため、当面はLLPW-Xの道場を借りてトレーニングに励む環境にあります。

歴史と歩み

2024年4月15日の設立会見後、団体は精力的に活動を開始します。同日夜にはプロレスリング・ノアの大会に主要選手らが乗り込み、挑発行為を経て、5月4日のノア両国国技館大会への参戦が決定。これは旗揚げ前の団体としては異例の他団体への初登場となりました。

5月20日、後楽園ホールで待望の旗揚げ戦「Marigold Fields Forever」が開催され、超満員札止めとなる1,539人の観衆を集め成功を収めました。この大会では天麗皇希と後藤智香がプロレスデビューを飾ります。旗揚げ戦終了直後には、わずか2ヶ月後の7月13日に両国国技館でビッグマッチ「MARIGOLD Summer Destiny 2024」を開催することを発表。そのスピード感は大きな話題を呼びました。しかし、旗揚げ戦の翌日には主力の一人であるジュリアが右手首の骨折で長期欠場を発表するなど、試練も訪れます。

旗揚げ以降、後楽園ホールや新木場1stRINGを中心に定期的に大会を開催。選手の負傷や入退団、新人のデビューなどが相次ぎながら、陣容を固めていきました。6月には南小桃がデビューし、元センダイガールズの丸森レア（現：瀬戸レア）が入団を表明。また、他団体との交流も活発化し、7月13日の両国大会にはイヨ・スカイが参戦し林下詩美と対戦したほか、神取忍、井上貴子といったベテラン勢も参戦しました。この両国大会では、団体初のタイトルとしてマリーゴールド・ワールド王座、UN王座、スーパーフライ級王座の初代王座決定戦が行われ、それぞれSareee、青野未来、翔月なつみが初代王者に輝きました。

両国大会後、Sareeeも負傷欠場。団体の顔の一人であったジュリアも8月19日の後楽園大会を国内ラストマッチとして団体を離れるなど、選手の動きは激しいものでしたが、南ゆうき（現：勇気みなみ）や山田奈保、ハミングバード、橘渚、咲村良子、山岡聖怜といった新戦力や練習生が次々とデビューや入団を果たし、層の厚みを増しています。

9月には初のリーグ戦「DREAM*STAR GP 2024」を開催し、林下詩美が初代覇者となりました。年末にかけては新人選手のデビューが相次ぎ、勇気みなみが新人王決定トーナメントを制するなど、若手の活躍が目立ちます。11月には所属の天麗皇希がプロレスリング・ノアの新設タイトルであるGHC女子王座の初代王者となる快挙を達成し、団体の存在感を高めました。

2025年に入り、1月3日には旗揚げ後2度目となるビッグマッチを大田区総合体育館で開催。主要タイトルのうちワールド、UN、ツインスター、スーパーフライ級の各王座が移動するなど激動の幕開けとなりました。また、この大会では高橋奈七永が2025年5月をもって現役を引退することを表明し、引退試合を5月24日に国立代々木競技場第二体育館で行うことが発表されました。

1月末にはボジラとタンクによるルーザー・リーブ・タウンマッチが行われ、タンクが国外追放となるなど、ストーリーラインも展開。3月からはマーベラスとの本格的な対抗戦が始まり、初代ツインスター王者となった高橋奈七永・山岡聖怜組が防衛戦を行うなど、他団体とのライバル関係も築かれています。

特徴と展望

マリーゴールドは、所属選手や一部スタッフに背番号を割り当てるという独自の制度を取り入れています。これは個々のアイデンティティを明確にし、ファンにとっての分かりやすさを高める試みと言えます。

試合中継はプロレス動画配信サービス「WRESTLE UNIVERSE」で行われており、全国・全世界のファンが団体の熱戦をリアルタイムで視聴できます。また、AIR-G'ではラジオ番組「MARIGOLD BEAUTIFUL FIGHT!」が放送されるなど、メディア展開も行われています。

団体は旗揚げから短期間で主要タイトルを設立し、両国国技館や大田区総合体育館といったビッグマッチ会場に進出するなど、急速にその規模を拡大しています。主力選手の負傷や離脱といった困難もありましたが、次々と現れる新戦力や、他団体との交流・対抗戦をテコに、女子プロレス界における新たな台風の目として注目を集めています。高橋奈七永の引退ロードという大きな節目を控えつつ、太陽のように輝く舞台を目指し、マリーゴールドは精力的に活動を続けています。選手やユニットは流動的ですが、林下詩美、MIRAI、桜井麻衣、高橋奈七永といった旗揚げメンバーに加え、青野未来、翔月なつみ、天麗皇希らが中心となり団体を牽引。野崎渚率いるDarkness Revolutionなどのユニットも形成され、多様な選手層で試合を展開しています。

設立者であるロッシー小川氏の手腕のもと、スターダム時代からのファンに加え、新たなファン層を獲得しながら成長を続けています。高橋奈七永選手の引退という一つの区切りを迎える2025年5月の代々木大会に向けて、団体はさらに大きな盛り上がりを見せることが期待されます。女子プロレス界の新たな歴史を刻むマリーゴールドの今後の動向から目が離せません。

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