マルガレーテン (競走馬)

マルガレーテン（Margarethen）は、アメリカ合衆国で活躍した競走馬であり、繁殖牝馬としてもその名を馳せました。競走馬としては64戦16勝という成績を残し、1966年にはモデスティハンデキャップを制覇しています。

繁殖牝馬としては、生涯で8頭（うち7頭が牝馬）の産駒を送り出しました。特に、1974年生まれの5番仔トリリオン（Trillion）は、1978年のガネー賞に優勝したほか、凱旋門賞、仏オークス、イスパーン賞、サンクルー大賞などのG1競走で2着を10回も記録し、1979年にはエクリプス賞最優秀芝牝馬に選出されるなど、その才能を遺憾なく発揮しました。トリリオンを筆頭に、マルガレーテンの牝駒たちは、それぞれ繁殖牝馬として大きな成功を収め、一大牝系を形成していきました。

1973年生まれのプリ（Prix）の子孫からは、香港でG1競走を4勝し、安田記念も制覇したブリッシュラックが誕生しました。また、トリリオンは、自らも名牝としての才能を発揮し、史上初のガネー賞母仔制覇を成し遂げた「鉄の女」トリプティク（Triptych）を産みました。さらに、この牝系は広がりを続け、地方所属馬として交流G1競走を6勝したフリオーソや、36年ぶりに凱旋門賞連覇を達成した「凱旋門賞の申し子」トレヴ（Treve）など、数多くの名馬を輩出してきました。

1976年生まれのヘイルマギー（Hail Maggie）も、繁殖牝馬として米G1馬を送り出し、その子孫には仏2000ギニー馬ランドシーア（Landseer）や、宝塚記念優勝馬ミッキーロケットなどがいます。そして、最後の産駒となった1981年生まれのドフザダービー（Doff the Derby）は、英ダービー・愛ダービーを制し、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスでも7馬身差の圧勝を飾ったジェネラス、日本で重賞2勝を挙げたオースミタイクーン、愛1000ギニー・英オークス優勝馬イマジン（Imagine）などを輩出するという驚異的な繁殖成績を収めました。その後の子孫からも、欧州でマイル以下のG1を6勝した名牝ムーンライトクラウド（Moonlight Cloud）、皐月賞馬ディーマジェスティ、スプリンターズステークス優勝馬タワーオブロンドンなど、枚挙にいとまがないほど多くの大レース勝ち馬が誕生しています。

マルガレーテンの牝系は、その圧倒的な繁殖力と優れた競走能力を受け継ぎ、世界中の競馬シーンに大きな影響を与え続けています。彼女の血を引く馬たちは、現在もなお、世界各地の競馬場でその勇姿を見せており、その血脈の重要性を物語っています。

マルガレーテン系G1競走優勝馬（太字）、重賞競走に優勝した日本馬
トリリオン（Trillion）
トリプティク（Triptych）
ジェネラス（Generous）
ムーンライトクラウド（Moonlight Cloud）
トレヴ（Treve）
ブリッシュラック
ディーマジェスティ
タワーオブロンドン
ミッキーロケット
フリオーソ


マルガレーテンの半妹であるLady MargueryとTim Marie（共に父はティムタム）も、姉ほどではないものの独自に牝系を広げています。

牝系を遡ると、7代母セントマーガレット（St.Marguerite）に辿り着きます。セントマーガレットは、1000ギニーを制覇した名牝で、繁殖牝馬としても大きな成功を収め、子孫には英三冠馬ロックサンドや、マルガレーテンとの間にMargravine・Trillion・Hail Maggieを産んだ名種牡馬ヘイルトゥリーズンなどがいます。さらに、マルガレーテンの6代母St.Marinaの牝系には、米三冠馬ギャラントフォックスなどが名を連ねています。

マルガレーテンの血統は、その優れた能力を代々受け継ぎ、競馬史に燦然と輝く名馬たちを数多く生み出しました。彼女の牝系は、現代競馬においてもその影響力を失うことなく、これからも数々のドラマを生み出していくことでしょう。

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