マルク＝ジョゼフ・マリオン・デュフレーヌ

マルク＝ジョゼフ・マリオン・デュフレーヌの生涯と業績

生い立ちと初期のキャリア

マルク＝ジョゼフ・マリオン・デュフレーヌは1724年5月22日、フランスのブルターニュ地方に位置するサン・マロで生まれました。若い頃から海軍に従事し、オーストリア継承戦争に参加した後、フランス東インド会社に加わりました。この転機により、彼はフランス島（現在のモーリシャス）に移住し、インド洋での貿易で財を成しました。

探検活動

1768年、マリオンはセーシェル諸島の探査調査を行いました。彼の心には、当時想定されていた「未知の南方大陸（テラ・アウストラリス）」の発見という夢がありました。そこで、世界一周を成し遂げた探検家ブーガンヴィルがフランスに連れてきたタヒチ島民アオトゥールーを故郷に送る際、その航海を利用して南方海域の調査を行う計画を立案しました。この計画はモーリシャスの総督に承認され、彼の補佐を行う士官とともに、2隻の船が用意されました。

1771年10月18日、フランス島を出発した彼は、航海中にアオトゥールーが天然痘により亡くなるという不幸に見舞われました。この体験にも関わらず、彼の探検は続けられ、2隻の船は喜望峰を経由して南へと進みました。

南方への航海

1772年1月13日、彼らはプリンス・エドワード諸島に到達しました。この島は1663年にオランダ人により発見されていましたが、正確な位置が記録されておらず、過去に見失われていました。マリオンはこの島に「希望の土地」と名付け、さらに同緯度を東に進む中で、1月24日に新たにクローゼー諸島を発見します。

その後、オーストラリアの南を通過し、タスマニアに立ち寄り、1772年3月25日にはニュージーランド北島に到達しました。彼はヨーロッパ人としては、タスマン、クック、シュルヴィルに続く第四の訪問者となったのです。5月にはアイランズ湾に停泊し、そこでマオリ族と友好的な関係を築きました。しかし、禁忌を犯すこととなり、彼の探検は悲劇的な展開を遂げることとなります。

悲劇的な結末

6月12日に上陸したマリオンを含む探検隊は、その夜船に戻らず、翌日には残されたボートが襲撃され、全員が殺害される事態になりました。彼の副官であるクローゼーは、生存者を探すために武装した隊を上陸させますが、その際にマオリ族との戦闘が発生し、多くの死傷者が出ました。マリオンの遺体は発見され、報復としてマオリの集落を燃やすこととなります。最終的に彼の指揮を受けた者は別の艦長であったデュ・クレムールに引き継がれ、探検隊はフィリピンを経由してフランス島へ帰還しました。

マリオンのゾウガメの逸話

1766年、マリオンはセーシェルからモーリシャスにアルダブラゾウガメを持ち込みました。この個体は後にモーリシャスで兵士たちに可愛がられるようになり、1918年に死亡しました。別の文献によると、セーシェルゾウガメのメスの個体もモーリシャスに持ち込まれ、「マリオン」という名で知られています。この個体は捕獲当時30歳から50歳と見積もられ、1918年には地球上での最高齢とされていました。彼の業績はただの探検だけでなく、彼の名はゾウガメの歴史とも関連付けられています。彼の貢献は海洋探査や生物の保存においても語り継がれ、深い影響を与えています。

もう一度検索