マーシー (AH-8)

アメリカ海軍病院船マーシー (USS Mercy, AH-8) の艦歴

マーシーは、コンフォート級病院船の一隻として、アメリカ海軍で運用された病院船です。この艦は、同名を持つ艦としては2隻目にあたります。

起工から就役まで

1943年2月4日、マーシーはカリフォルニア州ウィルミントンのコンソリデーテッド・スチール社で、海事委任契約に基づき起工されました。船体番号は1032です。同年3月25日には海軍に移管され、ドリス・M・ヤッター中尉によって命名、進水しました。その後、カリフォルニア州サンペドロのロサンゼルス・シップビルディング・アンド・ドライドック社で病院船としての改装を受け、1944年8月7日にトーマス・A・エスリング大佐を艦長として就役しました。

第二次世界大戦中の活動

1944年8月17日からの整調後、マーシーは陸軍の第214病院船班のスタッフを乗せて、第5艦隊および第7艦隊と共に活動を開始しました。8月31日にサンペドロを出航し、真珠湾とエニウェトク環礁を経由して10月14日にニューギニア島のホーランジアに到着。その5日後、レイテ島上陸作戦を支援するためフィリピンへ向けて出航し、10月25日にはレイテ湾に到着、レイテ沖海戦での負傷兵の治療にあたりました。

マーシーは同日遅くサンペドロ湾に移動し、上陸用舟艇で運ばれてきた負傷兵約400名を収容しました。その後、アドミラルティ諸島へ向けて出発、パラオとカロリン諸島を経由してマヌス島に到着し、負傷兵を基地の病院へ搬送しました。その後5ヶ月間、マーシーはレイテ島、マヌス島、ホーランジア間を7回巡航し、負傷兵の治療と輸送を行いました。1945年初めには、ニューギニア島から第3野戦病院をフィリピンのタクロバンへ輸送する任務も担いました。

1945年3月19日、マーシーはウルシー環礁で第5艦隊に合流し、4月1日から始まった沖縄戦の支援に参加しました。4月19日には、僚艦のソレースと共に沖縄に到着。ハグシビーチに4日間停泊し、空襲や特攻機の脅威に晒されながらも負傷兵の治療に当たりました。4月23日にサイパンへ向けて出航した後、2度沖縄へ航海し、5月24日にサイパンに帰還しました。

その後、レイテ島とマニラからビアク島への負傷兵輸送を2度行い、6月23日にマニラに帰還し、2ヶ月間ステーション任務に従事。8月19日には、韓国占領軍に派遣される第227野戦病院の兵員を乗せ、3日後に韓国へ向けて出発しました。沖縄を経由し、9月9日に仁川に到着しました。

戦後の活動と退役

1945年10月19日、マーシーはマニラを経由して11月14日にサンペドロに到着しました。1946年2月4日には中央太平洋に向けて出航し、2月12日に真珠湾に到着。4月2日まで任務に従事した後、カリフォルニアへ帰還しました。

マーシーは1946年5月17日にサンフランシスコで退役し、同日陸軍省へ送られました。6月20日には陸軍へ移管され、病院船として再び運用されましたが、同年9月25日に除籍されました。

受章

マーシーは、第二次世界大戦中の戦功により、2個の従軍星章を受章しました。

外部リンク

history.navy.mil - ウェイバックマシン（2004年3月14日アーカイブ分）


この記事は、アメリカ合衆国政府の著作物であるDictionary of American Naval Fighting Shipsに由来する文章を含んでいます。

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