マーチ・85G

マーチ・85Gの概要

マーチ・85Gは、1985年にマーチ・エンジニアリングによって製作されたグループC・IMSA-GTP用の販売用シャシです。この専用シャシは、全部で11台が製作され、特に日本の耐久レースシーンにおいて注目されたモデルとなっています。

日産との関わり

1985年、日本の自動車メーカーである日産は、全日本耐久選手権のグループCカテゴリーに参戦するためにマーチより3台のマーチ・85Gを購入しました。これらのシャシには日産自動車のセドリック及びグロリアに搭載されている3L V型6気筒ターボエンジンのVG30が組み込まれました。

前年までの不振を乗り越えるため、日産はこのモデルへの期待を寄せ、米国のエレクトラモーティブによるVG30エンジンチューニングを踏まえてこのシャシを選択しました。ニスモはマーチ・85Gとエレクトラモーティブが使用するローラ・T810の両方を購入することで、強化した戦略を立てました。マーチはホシノレーシング及びハセミモータースポーツがエントリーし、ローラはセントラル20が担当しました。

レースでの活躍

デビュー戦前のシェイクダウンは日本ではなく、アメリカ・リバーサイドのサーキットで行われました。初めてのレースは7月に行われた富士500マイルで、このレースにおいても注目を集めました。次の鈴鹿1000kmでは早速ポールポジションを獲得し、その後のWEC-JAPANでは、予選初日にワークス・ポルシェ・962Cを抑えて1-2位を独占する快挙を達成しました。

このレースでは、豪雨の影響により海外勢の撤退があり、レースは短縮されましたが、星野一義がドライブするマーチ・85Gは2時間の制限の中で初勝利を収めました。これは日本人ドライバーとして初の世界選手権勝利でもあり、特に注目される出来事でした。

その後の展開

1986年には、マーチ・85Gは日産・R85Vという名称でル・マン24時間レースに出場しました。長谷見昌弘、和田孝夫、ジェームス・ウィーバーのドライバー組が挑み、16位ながらも完走を果たしました。日産にとってはル・マンへの初出場であり、初の完走という意味も持ちます。

1985年シーズン中、日産は「シルビアターボC」や「スカイラインターボC」と名付けたマーチ・85Gをレースに出場させましたが、翌年からは後継モデルのマーチ・86Gが「日産・R86V」の名で新たな挑戦を続けました。

結論

マーチ・85Gは、1985年の耐久レースの歴史において重要な役割を果たし、日産のレース戦略に大きな影響を与えました。今でもその記録はファンの間で語り継がれています。

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