マーベラス (プロレス)

Marvelous

Marvelous（マーベラス）は、日本の女子プロレス界において独自の存在感を放つ団体です。その設立には、創設者である伝説的なレスラー、長与千種の多年にわたるプロレスへの思いと、周囲からの強い後押しがありました。

設立の背景

長与千種がMarvelousを立ち上げるに至った背景には、いくつかの重要な要因が重なり合っています。ひとつは、全日本女子プロレスの元代表取締役であり、2009年に逝去した松永高司氏が遺した「もう1度、横浜アリーナでやりたい」という熱い願いでした。また、2012年に亡くなった長与の父が、最期に「もう1回お前のプロレスを見せてくれ」と語った言葉も、彼女の心を強く揺さぶりました。さらに、かつて長与の付き人を務め、女子プロレス界の現状を憂慮していた北斗晶が繰り返し「女子プロレスを何とかしてくださいよ」と訴え続けていたこと、そして、GAEA JAPANを共に創設した盟友であり、約3年間の闘病から復帰を果たしたばかりのKAORUが再び輝けるリングを用意したいという思いが加わりました。これら四つの要素がひとつになったことが、長与千種に団体設立を決意させ、その背中を強く押したと語られています。

団体の歩み

Marvelousの歴史は、2014年3月22日に長与千種によって設立されたことから始まります。設立当初から、長与のプロレス哲学に基づいた、熱く力強いファイトスタイルを追求する団体として注目を集めました。

設立翌年の2015年には、長与にとって重要な存在であるKAORUが正式に入団。また、新世代の中心選手となる彩羽匠が移籍加入したほか、雫有希、渡辺智子といった実力者も団体に加わり、初期の体制が固められました。

2016年2月には、桃野美桜がデビュー。そして同年5月3日には、豊洲PITにて記念すべき旗揚げ戦「WALK THIS WAY!」が開催され、門倉凛がこの大会でデビューを飾りました。団体の船出を華々しく飾る大会となりました。

2017年には、田中ミキ、井坂レオがデビュー。また、この年には女子部だけでなく、男子部である「Marvelous IMPACT」が発足し、団体の活動の幅を広げました。一方で、同年12月には雫有希が契約解除となるなど、選手の入れ替わりも発生しました。

その後も団体の歴史は続きます。2018年には田中ミキが除名となる出来事もありましたが、同年には神童ミコト、星月芽依、Mariaといった新たな世代の選手たちが次々とデビューを果たし、団体のリングに新風を吹き込みました。2019年には、かつて練習生だった響が再デビューしています。

2021年には宝山愛がデビューしましたが、同年8月には神童ミコト（現：狐伯）、星月芽依（現：星来芽依）、響が退団するという動きもありました。2022年8月には、旗揚げ当初から団体を支えてきた盟友KAORUが惜しまれつつ引退。

近年では、2023年1月に門倉凛（現：凛）が退団。しかし同年8月には川畑梨瑚が移籍加入し、新たな戦力が加わっています。そして2024年7月にはベテランの渡辺智子が退団。同年10月には暁千華、12月には彩芽蒼空がデビューするなど、常に世代交代が進み、新しい顔ぶれがリングに登場しています。

所属選手・スタッフ

現在のMarvelousを支える主な所属選手には、団体のエースとして活躍する彩羽匠をはじめ、桃野美桜、Maria、宝山愛、そして近年加入した川畑梨瑚、暁千華、彩芽蒼空といった個性豊かな面々が名を連ねています。

男子部「Marvelous IMPACT」には、井坂レオが所属しています。

また、団体の運営を支えるスタッフとして、レフェリーにはプロレスリングWAVEを兼任するTommy、リングアナウンサーには坂口真樹子が所属しています。

これまでの歴史の中では、雫有希、田中ミキ、神童ミコト、星月芽依、響、KAORU、門倉凛、渡辺智子といった多くの選手が所属し、それぞれの足跡を残しています。

設立の原点となった長与千種の熱い思いを受け継ぎ、Marvelousは今日も観る者の心を揺さぶるプロレスを追求し続けています。

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