ミケーレ・ペルトゥージ

ミケーレ・ペルトゥージは、1965年1月12日にイタリアのパルマで生まれたバス・バリトン歌手です。彼の音楽キャリアは、幼少期から才能を発揮し、着実に国際的な舞台へと広がっていきました。

教育と初期のキャリア

ペルトゥージは、生地パルマのアリゴ・ボーイト音楽院で声楽を学び、マウロ・ウベルティに師事しました。さらに、アリゴ・ポーラ、カルロ・ベルゴンツィ、ロドルフォ・チェレッティといった著名な指導者からも薫陶を受け、その才能に磨きをかけました。1984年、『リゴレット』のモンテローネ役でプロとしてのキャリアをスタートさせ、同年12月にはモデナで『エルナーニ』のシルヴァ役を主役として初めて演じました。1985年には、ミラノのAs.Li.Co.コンクールで入賞し、ベルガモとブレシアでの『ドン・ジョヴァンニ』公演に参加するなど、10代の頃からオペラ歌手としての道を歩み始めました。また、ブッセートにおける「ヴェルディの声」国際コンクールでも入賞を果たしています。

ロッシーニ歌手としての躍進

ペルトゥージのキャリアにおいて重要な転機となったのは、1992年8月1日のペーザロ・ロッシーニ音楽祭での『セミラーミデ』のアッスール役デビューです。この公演での成功をきっかけに、彼は2000年まで毎年のように同音楽祭に出演し、ロッシーニ歌手としての名声を確立しました。その後もペーザロ・ロッシーニ音楽祭には継続して参加し、2024年時点でもその舞台に立っています。

ペーザロでのデビュー直前の1992年6月から7月にかけては、ボローニャ歌劇場でデッカ・レコードによるロッシーニの『チェネレントラ』の録音に参加し、チェチーリア・バルトリとアリドーロ役で共演しました。この録音は、彼のロッシーニ歌手としての評価をさらに高めることとなりました。翌1993年には、ボローニャ市立劇場の来日公演でも『チェネレントラ』のアリドーロ役で出演し、日本の聴衆を魅了しました。ちなみに、彼の日本での最初の舞台は、1991年5月のサントリーホールの開場5周年公演でのヴェルディの『イル・トロヴァトーレ』と『オテロ』でした。

スカラ座へのデビューと活躍

ペルトゥージは、1996年12月23日にミラノ・スカラ座で『クリスマス・コンサート』に出演し、ロッシーニの『エジプトのモーゼ』や『ウィリアム・テル』、ヴェルディの『運命の力』などの名場面集を披露しました。オペラ公演としては、1997年3月11日にロッシーニの『イタリアのトルコ人』のセリム役でデビューを果たし、以降、2024年時点までほぼ毎年のようにスカラ座の舞台に立っています。

多彩なレパートリーと声質

ペルトゥージは、バスの役柄だけでなく、『ウィリアム・テル』や『カルメン』のエスカミーリョ、『タイス』のアタナエル、『フィガロの結婚』のアルマヴィーヴァ伯爵、『ファルスタッフ』のタイトルロールなど、バリトンの役柄も数多く歌っています。その声質は、ルッジェーロ・ライモンディに似ていると評されることもあります。

ミケーレ・ペルトゥージは、ロッシーニ作品を中心に、幅広いレパートリーを持つ実力派歌手として、国際的なオペラ界で高く評価されています。

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