ミュンヘン空港

ミュンヘン空港（Flughafen München）は、正式名称をフランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港といい、ドイツ南部のバイエルン州、ミュンヘン郊外に位置する国際空港です。空港コードはMUC（IATA）/EDDM（ICAO）で、ルフトハンザドイツ航空とスターアライアンスのハブ空港として、重要な役割を担っています。

位置と概要

ミュンヘン市内から北東へ約28km離れたフライジング近郊に位置しており、広大な敷地面積を有しています。空港の敷地は、エルディング郡とフライジング郡にまたがっています。1992年の開港以来、ミュンヘン空港はドイツ国内で2番目、ヨーロッパでは8番目に旅客数の多い空港として成長を遂げました。

歴史

ミュンヘン空港の建設は、旧リーム空港の拡張計画から始まりました。しかし、1960年の米軍輸送機墜落事故を契機に、郊外への新空港建設の必要性が高まりました。1974年、ミュンヘン空港有限会社が新空港計画を申請しましたが、住民の反対運動や訴訟が相次ぎました。当初の計画では3本の滑走路を持つ大規模な空港でしたが、地域住民との対話を重ねた結果、規模を縮小し、2本の滑走路を持つ形に落ち着きました。住民との粘り強い対話と非暴力による解決への努力の結果、1992年に開港に至りました。

施設

ミュンヘン空港は、4000mの滑走路を2本備え、最大で1時間あたり90の発着に対応しています。さらなる発着機数の増加を見越して、第3滑走路の建設計画もありますが、近隣住民の反対もあります。

管制塔
高さ78mの管制塔は、飛行場管制と地上管制を行っており、ターミナル2の影になる東側エプロンの地上管制を行うために、サテライトに地上管制塔が統合されています。

旅客ターミナル

ミュンヘン空港には、ターミナル1とターミナル2の2つの旅客ターミナルがあります。

ターミナル1：1992年に開港し、スターアライアンス以外の航空会社や一部の例外的な航空会社が利用しています。5つのモジュールに分かれており、それぞれがほぼ独立して機能します。
ターミナル2：2003年にオープンし、ルフトハンザドイツ航空やスターアライアンス加盟航空会社が利用しています。中央部に施設が配置され、ハブとしての機能性を重視した設計となっています。


ターミナル2サテライト
ターミナル2の拡張として建設されたサテライトは、シェンゲン圏内と圏外の旅客を分けて取り扱い、ターミナル2とはピープルムーバーで接続しています。年間1100万人の旅客増に対応できるようになりました。

ミュンヘンエアポートセンター(MAC)
2つのターミナルを繋ぐ場所に位置し、商業施設やSバーンのホームがあります。イベントスペースとしても活用されています。

その他の施設
空港内には自家醸造所があり、醸造されたビールは空港内だけでなく、中部国際空港でも楽しむことができます。また、貨物ターミナルや水素ステーションなど、多様な施設が整備されています。

空港へのアクセス

アウトバーンA92号線や州道2584号線が空港に接続しており、自動車でのアクセスが可能です。また、ルフトハンザエクスプレスバスや都市間バスが、ミュンヘン市内や各地と空港を結んでいます。鉄道では、ミュンヘンSバーンのS1、S8系統が空港とミュンヘン中心部を約45分で結んでいます。

その他の情報

ミュンヘン空港は、2005年に中部国際空港と姉妹空港提携を結んでいます。空港の建築様式や話題性から、ミュンヘンの観光資源としても重要です。また、両替システムも充実しており、さまざまな通貨に対応しています。ミュンヘン空港は、その歴史、機能性、デザイン性において、世界的に高い評価を受けている空港です。

もう一度検索