ミラガイア

ミラガイア

ミラガイア（学名：Miragaia）は、ジュラ紀後期に生息したステゴサウルス科に属する恐竜の一種です。その名前は、発見場所であるポルトガルのポルト・ミラガイア地区に由来します。「ミラガイア」とは、「素晴らしき地球」という意味を持ち、ギリシャ神話の地球の女神ガイアにちなんで名付けられました。

発見

ミラガイアのタイプ標本は、リスボン県のロウリニャン博物館に所蔵されているML 433です。この標本は、ほぼ完全な体前部の骨格で構成されており、吻部の大部分、15個の頚椎（頭骨と関節する最初の2個は失われています）、肩帯、前肢の大部分、そして13個の骨質板が含まれています。特に重要なのは、ヨーロッパ産の剣竜類としては初めて発見された頭骨が含まれている点です。ML 433は、ロウリニャン層のSobral Unit（キンメリッジ階後期-ティトン階前期、約1億5000万年前）から産出しました。2009年にOctávio Mateusらによって記載され、種小名longicollumは「長い頸」を意味します。同じ層からは幼体の骨盤の一部や椎骨の一部（ML 433-A）も発見されており、これらもミラガイアに属すると考えられています。

形態

ミラガイアの最大の特徴は、17個以上の頚椎で構成された非常に長い首です。これは剣竜類の中で最も長く、従来の剣竜類が地表に近い植物を食べていたという見方とは対照的です。ジュラ紀後期のほとんどの竜脚類における頚椎数は12-15個であったことを考えると、ミラガイアに匹敵する数の頚椎を持っていたのは、中国産のエウヘロプス、マメンチサウルス、オメイサウルスなどに限られます。この長い首は、より高い場所にある植物を食べるため、あるいは性選択の結果として進化したと考えられています。

竜脚類の場合、首の伸長は3段階を経て起こりました。1段階目には脊椎が頚椎へと移動し、2段階目には新たな頚椎が形成され、3段階目には個々の頚椎が伸長しました。ミラガイアの首は、他の剣竜との椎骨数の比較から判断すると、主に脊椎の頚椎への移動によって伸長したと考えられます。新たな頚椎が形成された形跡は見られません。頚椎の伸長が起こっている形跡はありますが、これは堆積物中での変形が原因である可能性もあります。

他の剣竜と同様に、ミラガイアの嘴の先端には歯がありません。上腕骨、尺骨、橈骨の長さはステゴサウルスに匹敵します。頚肋骨は頚椎に癒合しており、恥骨の先端はダケントルルスと同様に伸長しています。

分類

分岐学的解析によると、ミラガイアはステゴサウルス亜科の姉妹群であるダケントルルス亜科に属するとされています。一部の研究では、アルコヴァサウルスがミラガイアの種であるとされることもあります。一方で、ミラガイア自体がダケントルルスのシノニムであるとする研究も存在します。

全長

全長は6-6.5mほどと推定されています。

外部リンク

New Dinosaur Discovered in Portugal
New Long Necked Stegosaurs Discovered
* ミラガイア・川崎悟司イラスト集

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