ミロス島

ミロス島：エーゲ海の秘宝

ミロス島は、エーゲ海南西部に位置するギリシャ領の島で、キクラデス諸島の西端にあります。古代ギリシア語ではメーロス島と呼ばれ、特に「ミロのヴィーナス」の発見地として世界的に知られています。この島は、その美しい自然景観と豊かな歴史遺産で、多くの人々を魅了し続けています。

地理と発見

ミロス島はキクラデス諸島の西端に位置し、その地形は火山活動の影響を受けています。1820年、地元の農民によって「ミロのヴィーナス」（ルーブル美術館所蔵）が発見され、世界的な注目を集めました。その他にも、ギリシア神アスクレーピオス像（大英博物館所蔵）、ポセイドーン像やアルカイックアポローン像など、重要な古代の彫刻が多数出土しています。島全体が、古代文明の宝庫と言えるでしょう。

ミロス島の自治体には、沖合に位置する無人島のアンティミロス島やアナネス島も含まれます。自治体全体の面積は160.147平方キロメートルで、2021年の国勢調査によると人口は5,193人です。

歴史

ミロス島の歴史は非常に古く、約13,000年前には黒曜石が取引されていたことがわかっています。この黒曜石は、刃物のように鋭い「石の道具」として使用され、農耕が始まる前から、そしてその後も重要な交易品でした。特に、黒曜石が産出しない地域では貴重な資源であり、数千キロメートルにもわたって輸送されていたことが確認されています。黒曜石の存在は、ミロス島が初期エーゲ文化の中心地となる重要な要因でした。

古代の遺物は、主に3つの時代に分けられ、いずれもミケーネ文明に先行するものです。特に、花柄の装飾が施された独特な陶器や、黒曜石の堆積物などが多く発見されています。フェニキア人による支配の影響も伝わっています。

紀元前6世紀には、ドーリア人によって支配され、神話的な題材や東洋的な装飾が施された花瓶やテラコッタのレリーフが制作されました。ミロス島の住民は、サラミス島の海戦にギリシア艦隊を派遣しましたが、デロス同盟には加盟せず、ペロポネソス戦争では中立を保とうとしました。しかし、紀元前415年にアテネ軍がミロス島を攻撃し、住民は無条件降伏を余儀なくされました。武装可能な男性は全員殺され、女性や子供は奴隷にされました。その後、アテネから500人の植民者が送り込まれました。

アテネの支配は、紀元前405年にスパルタのリュサンドロスがアテネ軍を破ったことで終焉を迎えました。リュサンドロスはアテネの植民者を追放し、奴隷となっていたミロス島の子女を帰還させ、ミロス島をスパルタに併合しました。これにより、ミロス島は再びその歴史を歩み始めました。

姉妹島と外部リンク

ミロス島は、香川県の小豆島と姉妹島提携を結んでいます。これは、両島が持つ歴史的・文化的なつながりを示すものです。

より詳しい情報や観光については、以下の公式サイト（英語）をご覧ください。

* ミロス島の公式サイト（英語）：ミロス島の公式サイト

ミロス島は、その豊かな歴史と美しい自然が織りなす魅力的な島です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

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