ミーティ・ビーティ・ビッグ・アンド・バウンシィ

『ミーティ・ビーティ・ビッグ・アンド・バウンシィ』は、ザ・フーが1971年に発表した初の公式ベスト・アルバムです。全英9位、全米11位を記録し、彼らの初期の代表曲を網羅した作品として、長年にわたり親しまれています。

このアルバムは、それまでに発表されたシングルA面曲を中心に構成されており、そのうち7曲はオリジナル・アルバム未収録という貴重な内容です。また、「アイム・ア・ボーイ」と「マジック・バス」は、それぞれシングル・ミックスとは異なる未発表バージョンが収録されている点も特筆されます。

「アイム・ア・ボーイ」は1966年10月3日に再録音された別バージョン、「マジック・バス」はオリジナルよりも演奏時間が1分以上長いロング・バージョンが擬似ステレオで収録されています。さらに、「ザ・キッズ・アー・オールライト」はアメリカでのシングル・カットで使用された編集版が収録されており、聴きごたえのある内容となっています。

アルバム・タイトルは、ドッグフードのコマーシャルから採られたというユニークなエピソードがあります。当初は「ザ・フー・ルック・バック」というタイトルになる予定でしたが、ピート・タウンゼントが「まるで俺たちみんな死んじまったみたいだ」と感じたため、変更されたそうです。

ジャケット写真は、ロジャー・ダルトリーの従兄弟にあたる写真家のグレアム・ヒューズが手掛けました。幼少期のメンバーにそっくりな子供たちを探し出して撮影されたもので、アルバムのユーモラスな雰囲気をさらに引き立てています。

収録曲は以下の通りです。

1. アイム・ア・ボーイ
2. ラン・ラン・ラン
3. ボリスのクモ野郎
4. ザ・キッズ・アー・オールライト
5. マイ・ジェネレーション
6. 恋のピンチヒッター
7. リリーのおもかげ
8. 恋のマジック・バス
9. コール・ミー・ザ・ブリーザー
10. ドント・ルック・アウェイ
11. シー・ロックト・アップ・マイ・ワールド
12. エニウェイ・エニハウ・エニウェア
13. ピンボールの魔術師
14. アイ・キャント・エクスプレイン

参加ミュージシャンは以下の通りです。

ロジャー・ダルトリー（ヴォーカル）
ピート・タウンゼント（ギター、キーボード、ヴォーカル）
ジョン・エントウィッスル（ベース・ギター、金管楽器、ヴォーカル）
キース・ムーン（ドラムス）

『ミーティ・ビーティ・ビッグ・アンド・バウンシィ』は、ザ・フーの初期の魅力を凝縮した、まさに必聴のベスト・アルバムと言えるでしょう。

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