ムアンウドーンターニー郡

ムアンウドーンターニー郡は、タイ東北部ウドーンターニー県に位置する郡であり、同県の県庁所在地としても知られています。ウドーンターニーとは「北の町」を意味し、タイ国内では単に「ウドーン」と呼ばれることもあります。日本語表記では「ウドンタニ」「ウドンタニー」「ウドーンターニー」など、複数の表記が見られます。

歴史

この地は元々、バーン・マークケンという村でしたが、1897年にチャクリー改革の一環としてプラチャック親王によって都市が建設されました。比較的新しい都市であるため、碁盤目状の道路と環状道路が整備され、計画的な都市開発が行われたことが伺えます。市内には市民の憩いの場となる2つの大きな公園も設けられています。郡として成立した当初はマークケン郡と呼ばれていましたが、1938年に県名に合わせてムアンウドーンターニー郡に改称されました。

ベトナム戦争時には、近隣に7つのアメリカ軍基地が存在していましたが、1976年にタイへ返還されました。現在、そのうちのいくつかはすでに存在していません。また、この地域にはVoice of Americaの中継局が設置されています。

地理

ムアンウドーンターニー郡は、メコン川が形成した平地に位置し、南部は山岳地帯となっています。市内の主な水源はフワイルワン・ダムです。国道2号線が南北に走り、ラオスのビエンチャンへの玄関口であるノーンカーイと、イーサーン地方の中心都市であるコーンケーンを結ぶ交通の要衝となっています。メコン川沿いのノーンカーイとともに重要な交通拠点であり、バンコクからコーンケーンを経由しノーンカーイに至るタイ国鉄もウドーンターニーを経由しています。駅は市街地の南部に位置しています。

また、市の西部にはウドーンターニー国際空港があり、バンコクとの間で国内線が運航されています。さらに、タイ＝ラオス友好橋を経由してビエンチャン市内まで国際バスが1日に4便運行しており、国際的な交通の要衝としての役割も担っています。

東には国道22号線がサコンナコーンやナコーンパノムへ、西には国道210号線がルーイ県へと繋がっており、周辺地域へのアクセスも良好です。

気候

雨季は4月から10月までで、特に9月は降水量が多くなります。12月や1月は朝晩が涼しくなり、過ごしやすい気候となります。

経済

地域の主要な産業は農業で、特に米の生産が盛んです。

行政区分

郡内には21のタムボン（町）が存在し、その下位に247の村（ムーバーン）があります。また、郡内には8つの自治体（テーサバーン）が設置されています。以下にその詳細を示します。

テーサバーンナコーン・ウドーンターニー: タムボン・マークケーン全体、タムボン・ノーンブワ、タムボン・ノーンコーンクワーンの一部
テーサバーンタムボン・ニコムソンクロ: タムボン・ニコムソンクロ、タムボン・コークサアートの一部
テーサバーンタムボン・ノーンブワ: タムボン・ノーンブワ、ノーンナーカム、サームプラーオ、ノーンコーンクワーンの一部
テーサバーンタムボン・バーンチャン: タムボン・バーンチャン、タムボン・ノーンコーンクワーンの一部
テーサバーンタムボン・ナーカー: タムボン・ナーカーの一部
テーサバーンタムボン・ノーンスーンナムカーム: タムボン・ノーンスーンの一部
テーサバーンタムボン・ノーンサムロン: タムボン・ナーディーの全体とタムボン・ムーモンとタムボン・バーンルアムの一部

また、郡内には18のタムボン行政体が設置されています。

タムボン一覧

タムボン・マークケーン
タムボン・ニコムソンクロ
タムボン・バーンカーオ
タムボン・ノーンブワ
タムボン・バーンタート
タムボン・ノーンスーン
タムボン・ムーモン
タムボン・チエンユーン
タムボン・ノーンナーカム
タムボン・クットサラ
タムボン・ナーディー
タムボン・バーンルアム
タムボン・チエンピン
タムボン・サームプラーオ
タムボン・ノーンハイ
タムボン・ナーカー
タムボン・バーンチャン
タムボン・ノーンコーンクワーン
タムボン・コークサアート
タムボン・ナークワーン
タムボン・ノーンパイ



姉妹都市

* リノ（アメリカ）

ムアンウドーンターニー郡は、その地理的条件から交通の要衝として発展し、計画的な都市開発が行われてきた地域です。歴史、交通、経済、行政など、多岐にわたる特徴を持つこの地域は、タイ東北部の重要な都市として、今後もその発展が期待されます。

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