メイポート海軍補給基地

メイポート海軍補給基地

フロリダ州デュバル郡、ジャクソンビルに所在するメイポート海軍補給基地（Naval Station Mayport）は、アメリカ合衆国における主要な海軍基地の一つです。1942年12月に開設されて以来、その規模は国内で3番目に数えられるほどに発展しました。この基地の最大の特徴は、広大な軍港機能と航空基地機能（アドミラル・デヴィッド・L・マクドナルド・フィールド）を併せ持つ複合施設である点です。これにより、海軍の艦艇と航空部隊が一体的に運用される体制が構築されています。

港湾施設は最大で34隻もの艦艇を同時に収容できる能力を有しており、大西洋におけるアメリカ海軍の作戦遂行において重要な役割を果たしています。隣接する飛行場、アドミラル・デヴィッド・L・マクドナルド・フィールドには、長さ8,001フィート（約2,439メートル）、幅200フィート（約61メートル）の長大な滑走路が整備されており、アメリカ国防総省が運用するあらゆる種類の航空機が離着陸可能となっています。この陸海空一体となったインフラは、迅速な部隊展開と補給を可能にし、基地の戦略的価値を高めています。

歴史的に見ると、メイポート海軍補給基地は長らく大西洋艦隊に所属する通常動力航空母艦の母港として機能してきました。かつてはUSSシャングリラ（CV-38）、USSフランクリン・D・ルーズベルト（CV-42）、USSフォレスタル（CV-59）、USSサラトガ（CV-60）といった著名な空母がここを母港としていました。近年までUSSジョン・F・ケネディ（CV-67）が活動していましたが、海軍が通常動力空母の運用方針を変更したため、現時点では原子力空母以外の空母は配備されていません。しかしながら、将来的な原子力空母の受け入れを見据え、連邦議会の上下両院は港湾の浚渫や施設の改修に必要な約7,500万USドルの予算を承認する法案を可決しており、基地の機能強化が進められる予定です。

また、メイポート海軍補給基地は、2008年に約半世紀ぶりに再活性化されたアメリカ海軍第4艦隊の司令部が置かれている場所でもあります。第4艦隊は主に中南米およびカリブ海域におけるアメリカ海軍の活動を管轄しており、その司令部がこの基地に設置されたことは、南米方面への戦略拠点としてのメイポートの重要性を示すものです。

2018年3月時点では、多様な艦艇がこの基地を母港としていました。その主な所属艦艇は以下の通りです。

沿海域戦闘艦（全てフリーダム級）
USS ミルウォーキー (LCS-5)
USS デトロイト (LCS-7)
USS リトルロック (LCS-9)
巡洋艦（全てタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦）
USS フィリピン・シー (CG-58)
USS ゲティスバーグ (CG-64)
USS ヒュー・シティ (CG-66)（退役）
USS ヴィックスバーグ (CG-69)
駆逐艦（全てアーレイバーク級ミサイル駆逐艦）
USS カーニー (DDG-64)
USS ザ・サリヴァンズ (DDG-68)
USS ルーズベルト (DDG-80)
USS ファラガット (DDG-99)
USS ラッセン (DDG-82)
揚陸艦
ワスプ級強襲揚陸艦 USS イオー・ジマ (LHD-7)
サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦 USS ニューヨーク (LPD-21)
ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦 USS フォート・マクヘンリー (LSD-43)
哨戒艇（全てサイクロン級）
USS ハリケーン (PC-3)
USS シャマル (PC-13)
* USS トルネード (PC-14)

航空部隊としては、MH-60Rヘリコプターを運用する複数の飛行隊が常駐しています。具体的には、第40ヘリコプター海洋打撃飛行隊、第46ヘリコプター海洋打撃飛行隊、そして第48ヘリコプター海洋打撃飛行隊がこの基地を拠点として活動しています。

メイポート海軍補給基地は、その地理的な位置、広範な能力、そして歴史的な背景から、アメリカ海軍の戦力投射において不可欠な役割を担い続けています。

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