メキシコの世界遺産

メキシコは、豊かな歴史と文化、そして多様な自然に恵まれた国であり、その証として数多くの世界遺産がユネスコに登録されています。これらの遺産は、メキシコの歴史、文化、自然の多様性を物語る上で非常に重要な存在です。ここでは、メキシコ国内に点在する世界遺産について、文化遺産、自然遺産、複合遺産に分けて詳しく見ていきましょう。

文化遺産

メキシコの文化遺産は、古代文明の遺跡から植民地時代の建造物、そして近代の建築まで多岐にわたります。以下に主な文化遺産を挙げます。

古代都市パレンケと国立公園 (1987年): マヤ文明の壮大な遺跡群が、豊かな自然の中に残されています。
メキシコシティ歴史地区とソチミルコ (1987年): メキシコの首都であり、アステカ文明の都市テノチティトランの跡地に建てられた歴史地区と、古代からの水上農園ソチミルコが融合した地域です。
古代都市テオティワカン (1987年): 巨大なピラミッドが特徴的な、謎に包まれた古代都市の遺跡です。
オアハカ歴史地区とモンテ・アルバンの考古遺跡 (1987年): 植民地時代の美しい街並みと、サポテカ文明の古代都市遺跡が共存しています。
プエブラ歴史地区 (1987年): 植民地時代の建築物が美しい、歴史的な街並みが残されています。
グアナフアト歴史地区と鉱山 (1988年): 銀鉱山として栄えた歴史を持つ、カラフルな街並みが美しい都市です。
古代都市チチェン・イッツァ (1988年): マヤ文明の代表的な遺跡で、ピラミッド「ククルカンの神殿」が有名です。
モレリア歴史地区 (1991年): 植民地時代の美しい建築物が残る、歴史的な街並みです。
古代都市エル・タヒン (1992年): 古代都市の遺跡で、独特なピラミッドが特徴的です。
サカテカス歴史地区 (1993年): 銀鉱山で栄えた、歴史的な街並みが残る都市です。
シエラ・デ・サン・フランシスコの岩絵群 (1993年): 古代の人々が残した岩絵が数多く残る地域です。
ポポカテペトル山腹の16世紀初頭の修道院群 (1994年): 火山活動によってできた地形に建てられた、16世紀の修道院群です。
古代都市ウシュマル (1996年): マヤ文明の遺跡で、精巧な装飾が施された建造物が見られます。
ケレタロの歴史史跡地区 (1996年): 植民地時代の美しい建築物が残る、歴史的な街並みです。
グアダラハラのオスピシオ・カバーニャス (1997年): ホスピスとして建てられた、歴史的な建造物です。
カサス・グランデスのパキメ遺跡地帯 (1998年): アメリカ先住民の文化が残る、遺跡地帯です。
トラコタルパンの歴史遺跡地帯 (1998年): 植民地時代の街並みが残る、歴史的な都市です。
ショチカルコの考古遺跡地帯 (1999年): 古代都市の遺跡で、独特の建築様式が特徴的です。
歴史的城塞都市カンペチェ (1999年): 海賊から街を守るために作られた城壁都市です。
ケレタロ州シエラ・ゴルダのフランシスコ会伝道所群 (2003年): フランシスコ会が建設した、美しい伝道所のグループです。
ルイス・バラガン邸と仕事場 (2004年): メキシコを代表する建築家、ルイス・バラガンの自宅兼仕事場です。
テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観 (2006年): テキーラ製造に使用されるリュウゼツラン畑と、テキーラ工場です。
メキシコ国立自治大学の大学都市の中央キャンパス (2007年): 近代建築の代表例とも言える、大学のキャンパスです。
サン・ミゲルの要塞都市とヘスス・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地 (2008年): 要塞都市と聖地、二つの文化遺産が組み合わさった複合遺産です。
カミノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ (2010年): スペイン植民地時代に物資を輸送した道の一部です。
オアハカ中央盆地にあるヤグルとミトラの先史時代の洞窟群 (2010年): 古代人が住んでいたとされる洞窟群と、古代都市の遺跡です。
パドレ・テンブレケ水道橋の水利システム (2015年): 歴史的な水道橋で、独特の景観を形作っています。

自然遺産

メキシコの自然遺産は、豊かな生態系と美しい自然景観が特徴です。以下に主な自然遺産を挙げます。

シアン・カアン (1987年): マングローブが生い茂る沿岸湿地と、珊瑚礁の海域が広がる自然保護区です。
エル・ビスカイノのクジラ保護区 (1993年): 太平洋に面したラグーンで、コククジラの繁殖地として知られています。
カリフォルニア湾の島々と自然保護区群 (2005年): 多様な海洋生物が生息する、自然保護区です。
オオカバマダラ生物圏保護区 (2008年): オオカバマダラが越冬のために集まる、自然保護区です。
エル・ピナカテとアルタル大砂漠の生物圏保護区 (2013年): 火山地形と砂漠が広がる、独特な自然景観が見られます。
レビジャヒヘド諸島 (2016年): 太平洋に浮かぶ火山島で、多様な海洋生物が生息しています。

複合遺産

メキシコの複合遺産は、文化的な価値と自然的な価値を併せ持つ貴重な遺産です。以下に主な複合遺産を挙げます。

カンペチェ州カラクムルの古代マヤ都市と熱帯保護林 (2002年、2014年): マヤ文明の都市遺跡と、熱帯雨林が共存する地域です。
* テワカン＝クイカトラン渓谷: メソアメリカの起源となる環境 (2018年): メソアメリカ文明の起源とされる環境と、古代の遺跡群が見られる地域です。

これらの世界遺産は、メキシコの豊かな歴史と文化、そして多様な自然を象徴するものであり、人類全体の宝として大切に守り、後世に伝えていく必要があります。

もう一度検索