メタファイル

メタファイルとは、データそのものではなく、そのデータを再現するための情報（メタデータ）を記録するファイル形式です。この方式を採用することで、データ量を削減し、効率的な情報管理が可能になります。メタファイルは、コンピュータグラフィックスからストリーミングメディアまで、幅広い分野で利用されています。

コンピュータグラフィックス・メタファイル

コンピュータグラフィックス（CG）分野では、メタファイルはベクター画像データの保存形式として利用されます。画像そのものではなく、直線や矩形などの図形描画命令を記録するのが特徴です。ラスター画像（ビットマップ）を内部に含むことができるものもあります。

通常、メタファイルはOSの描画APIを経由した描画命令をファイルに出力します。画像を再現するには、ファイルに記録された描画命令を実行します。ただし、OS間の互換性の問題から、メタファイルにも互換性がない場合があります。例えば、MacintoshのPICTとOS/2のメタファイル、WindowsとX Window Systemの間には互換性がありません。

プリンター制御言語（PDL）の一種であるPostScriptは、メタファイルのように扱われ、文書のデータ形式としても利用されています。また、MacintoshのQuickDraw 3Dにおけるメタファイルである3DMFは、3Dモデルのデータ形式としても広く使用されています。

Windowsでは、Graphics Device Interface (GDI) APIに対応するWindows Metafileが代表的なメタファイルです。プラットフォームに依存しないメタファイル規格としては、Computer Graphics Metafile (CGM) やScalable Vector Graphics (SVG) があります。3次元コンピュータグラフィックスやCADでは、Wavefront OBJやDXFなどのメタファイルが使用され、3次元空間における頂点や面の位置情報などを記録します。

その他、Microsoft Wordのドキュメントファイル (.doc/.docx) やアドビのPortable Document Format (PDF) もメタファイルの一種です。

ストリーミングメディア・メタファイル

ストリーミングメディアの分野では、メタファイルは音声ファイルや動画ファイルのURLを記述したファイルとして利用されます。複数のURLを記述することで、再生順序や条件選択を制御できます。

ストリーミング配信者は、メディアファイルの代わりにメタファイルを公開し、メディアファイルへの直接アクセスを制限することが一般的です。

代表的なストリーミングメディアメタファイルには、以下のものがあります。

Windows Mediaメタファイル (ASX, WAX, WVX)
RealMediaメタファイル (RAM, RMM)
* QuickTimeメタファイル (QTL)

その他の関連技術

メタファイルに関連する技術として、MIDI、HTMLなどが挙げられます。これらの技術も、データを効率的に管理し、多様なプラットフォームで利用するための仕組みを提供しています。

メタファイルは、単なるデータ保存形式ではなく、情報の効率的な管理や、多様な環境でのデータの相互運用性を高めるための重要な技術です。今後も、様々な分野での活用が期待されます。

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