メナロ山

メナロ山：ギリシャ神話と自然が息づく山

メナロ山（ギリシア語: Μαίναλο, Μαίναλον; ラテン語: Maenalus）は、ギリシャのペロポネソス半島、アルカディア県に位置する山です。メナロン高地の最高峰であり、その最高地点は標高1,981メートルのProfitis Ilias（または Ostrakina）という名で、アルカディア県における最高地点でもあります。

地理

メナロ山は、トリポリ南西部からヴィティナ北東部にかけて、全長15〜20km、全幅5〜10kmに及ぶ広がりを持っています。山の地質は石灰を主とする炭酸カルシウムで構成されています。

主なピーク

メナロ山には数多くの頂があり、以下に標高順に主なものを紹介します。

Ostrakina (Οστρακίνα) / Profitis Ilias (Προφήτης Ηλιας)：1,981 m
Pateritsa (Πατερίτσα)：1,875 m
Aidini (Αϊδίνη)：1,849 m
Mavri Koryfi (Μαύρη Κορυφή)：1,818 m
Mourtzia (Μουρτζιά)：1,794 m
Mesovouni (Μεσοβούνι)：1,730 m
Krevatia (Κρεββάτια)：1,563 m
Epano Chrepa (Επάνω χρέπα)：1,559 m
Lioritsi (Λιορίτσι)：1,155 m
Sterna (Στέρνα)：1,071 m

環境

メナロ山は豊かな自然に恵まれており、特にギリシアモミやヨーロッパクロマツの森林が広がっています。これらの森林は、ナチュラ2000において「ペロポネソス半島を代表するギリシャモミとヨーロッパクロマツの単純林」と評価され、保護の対象となっています。2011年3月には、226.4平方キロメートルの地域がナチュラ2000の指定を受けました。

神話

古代ギリシアにおいて、メナロ山は牧神パーンの聖地とされていました。パーンはしばしばこの地を訪れたと伝えられています。また、古代ローマの詩人オウィディウスは、メナロ山周辺を野獣の棲み家であり、狩猟と月の女神ディアーナとその侍女たちが狩りを行う場所として描いています。

その他の情報

19世紀から20世紀初頭にかけて、メナロ山はApano Chrepaという名でも知られていました。また、標高1,550〜1,770m地点にはスキーリゾートがあり、7つのスキー場と4つのリフトが整備されています。

1687年にヨハネス・ヘヴェリウスが出版した星図『Firmamentum Sobiescianum』には、メナロ山をモチーフとした星座「Mons Maenalus（マエナルス山座）」が描かれました。この星座はうしかい座の足元に配置され、うしかい座が山の上に立つように表現されていましたが、独立した星座とは見なされず、1922年に国際天文学連合が88星座を制定した際も採用されませんでした。

メナロ山は、豊かな自然と古代からの歴史、神話が織りなす魅力的な山です。

もう一度検索