メリーチョコレートカムパニー

株式会社メリーチョコレートカムパニー

株式会社メリーチョコレートカムパニーは、東京都大田区大森西に本社を置く、日本の洋[[菓子]]メーカーです。主力商品はチョコレートであり、その他にもキャンディ、ゼリー、クッキー、マロングラッセなどを製造・販売しています。創業当初から情報技術への投資に積極的であり、独自の販売システムを構築し、効率的な経営を行っています。現在は、ロッテグループの一員として、その傘下で事業を展開しています。

概要

メリーチョコレートは、百貨店と総合スーパー（GMS）を中心に販売チャネルを構築しています。2004年時点では、売上高の58%を百貨店、28%をGMSが占め、残りの14%はテーマパークや空港売店、ブライダル直販などによるものです。創業以来、問屋を通さない直販システムを採用しており、百貨店・専門店に約250店舗、量販店には約1,250店舗を展開しています。東京本社の他に、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の5支店を設け、全国を15ブロックに分けて統括しています。

製造拠点としては、本社に隣接する大森工場と、情報流通センターのある船橋工場があります。2008年の経常利益率は10.0%と高収益を上げており、日本国内のチョコレート業界では第3位のシェアを持つロッテホールディングスの傘下に入っています。

歴史

メリーチョコレートの創業は、1949年にモロゾフの菓子職人だった原堅太郎が、東京都目黒区の小さな作業場でチョコレート製造を始めたことに遡ります。しかし、売上不振のため、翌1950年に一旦操業を停止しています。その後、1952年に再スタートし、現在の青山・表参道エリアにあたる渋谷区青葉町（現・渋谷区神宮前）に資本金50万円で株式会社メリーチョコレートカムパニーを設立しました。1956年には本社と工場を渋谷区鶯谷町に移転しています。

1958年2月には、原堅太郎の次男である原邦生が、伊勢丹新宿店で同社初のバレンタインデーフェアを開催しました。これは、日本初のバレンタインデーイベントと言われています。創業7年目には、販売先は64店舗に過ぎませんでしたが、三越や阪急百貨店などとも取引を開始し、1969年にはロサンゼルスに初の海外店舗を出店しました。また、同年10月には大田区大森西に本社工場を新築・移転しています。

1971年には三菱電機のMELCOMを導入して在庫管理を始め、翌年からは納入伝票の発行を自動化するなど、早くから情報技術に投資を行ってきました。1975年には、後のPOSの原型となる販売日報制度を導入し、各店舗から商品動向や顧客の要望を毎日吸い上げる仕組みを整えました。1972年にはマロングラッセ、1978年にはデザートゼリーの製造販売を開始しました。

1985年に原堅太郎の長男である原晃専務が、翌1986年には原堅太郎社長がそれぞれ亡くなると、営業担当の取締役であった原邦生が社長に就任しました。同年には2ヶ所目の製造拠点となる船橋工場を建設しました。1982年には、本社のメインコンピュータと各売場の端末を接続するなど、発注や売上・店舗報告をオンライン化し、1994年には船橋で工場増築と情報流通センター建設に33億円を投資しました。これにより、在庫・商品管理の効率が大幅に向上しました。

2000年には、パリのサロン・ド・ショコラに日本企業として初めて参加し、2010年までに同展で3回の受賞を果たしました。2007年には新社屋を完成させるなど事業を拡大しましたが、2008年にリーマン・ショック後の急激な円高局面でデリバティブ運用による数十億円の損失が生じ、同年12月にロッテホールディングスに全株式を売却し、ロッテグループの傘下に入りました。

情報技術

メリーチョコレートは、メリーズ・ポイント・オブ・セールスシステム（MAPS）というPOSを独自に開発し、経営に活用しています。当初は、売場の各商品について、男性客が購入した場合は黒、女性客の場合は赤で正の字を書いて1時間毎の販売記録を管理し、販売日報として電話やFAXで本社に報告していました。1982年には、発注手続きなどとともにオンライン化され、120品目の発注が20秒で完了するほどになりました。また、顧客の性別・年齢の他に、自宅用かギフト用かという情報も端末に入力しています。

MAPSは、2004年の時点で総売上高の65%にあたる約200店舗に導入されており、営業終了後に集約された情報は翌日9時30分には全店でアクセス可能となっています。このデータから、ホワイトデー商品の購入者は代理買いなどの女性が多いことや、テナントとなっている百貨店側から提供される顧客の年齢分布と自店舗の販売データが大きく異なるケースがあることなどが把握され、返品率の低減に成功しています。情報システムの構築やプログラム開発は、基本的に全て自社で手がけています。

主力商品のチョコレートについては、気温が25-27℃を超えると需要が大きく減少するという特徴があるため、アメリカの気象観測会社と契約しています。また、全商品について販売部門が在庫の責任を持ち、製造部門と密接に連絡を取り、10日毎に40日先までの生産計画を見直すサプライチェーン・マネジメント（SCM）のシステムを確立しています。40日先までの販売予測は、地域・店舗ごとに分析したMAPSのデータとともに取引先にも公開し、原材料や資材の生産計画に反映させてコスト低減に繋げています。

沿革

1952年9月 - 株式会社メリーチョコレートカムパニーを設立
1956年11月 - 本社・工場を渋谷区鶯谷町に移転
1958年2月 - 初のバレンタインフェアを実施
1969年10月 - 大田区大森西に本社・工場を移転
1986年10月 - 千葉県船橋市に工場を新設
2000年10月 - サロン・ド・ショコラ・イン・パリに初出店
2008年12月 - ロッテホールディングスが全株式を取得し、完全子会社化

脚注

参考文献

清澤達夫「メリーチョコレート」『聖学院大学論叢』第16巻第2号、2004年、179-188頁、NAID 110001189196。

外部リンク

公式ウェブサイト
メリーチョコレートカムパニー (marychocolate.fan) - Facebook
メリーチョコレート] (@marychocolate.jp) - [Instagram
メリーチョコレート・オンラインショップ (@Marys_Online) - X（旧Twitter）

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