モザンビーク解放戦線

モザンビーク解放戦線（FRELIMO）

モザンビーク解放戦線（Frente de Libertação de Moçambique, FRELIMO）は、モザンビークの主要政党です。元々はポルトガル植民地支配からの独立を目指し、モザンビーク独立戦争を戦った武装組織でした。現在は社会主義インターナショナルに加盟しています。

歴史

1962年6月25日、エドゥアルド・モンドラーネによって、タンザニアの首都ダルエスサラームで結成されました。これは、独立を目指す民族民主連合(NDU)、モザンビーク＝アフリカ民族連合(ANUM)、独立モザンビーク＝アフリカ連合(AUNM)の3つの組織が統合されたものです。

1964年9月25日、国土北部で独立戦争を開始。マコンデ族との連携により、国土の20%を支配下に置きました。しかし、1969年2月にはモンドラーネ議長が暗殺され、その後、サモラ・マシェルが議長に就任しました。1970年から1971年には、建設中のカボラ・バッサダムを攻撃しています。

1974年4月25日のポルトガル本国でのカーネーション革命後、同年9月にルサカ協定が締結され、和平が実現しました。1975年6月25日にモザンビークが独立すると、FRELIMOは人民民主主義国家の政権党となりました。

独立直後は、独立戦争の被害、ポルトガル系住民の出国、洪水などが重なり、経済は大打撃を受けました。さらに、反共主義勢力に支援されたモザンビーク民族抵抗運動（MNR/RENAMO）との内戦が激化し、国土は疲弊しました。

1986年にマシェル初代大統領が死去した後、ジョアキン・アルベルト・シサノが大統領に就任。1989年の党大会でマルクス主義からの転換を宣言し、1990年11月には憲法改正により複数政党制を導入、国名をモザンビーク人民共和国からモザンビーク共和国に改称しました。

1990年から1991年にかけての大規模な旱魃による飢饉は、FRELIMOとRENAMO双方に内戦継続を困難にさせ、1992年に包括和平協定が締結されました。その後も軍事的な対立は残りましたが、和平交渉も継続され、2019年8月1日にRENAMOとの和平協定が調印されました。

内戦終結後、1994年と1998年の選挙で勝利し、以降も与党の地位を維持しています。

現状

現在もモザンビークの政治を主導し、経済発展や社会の安定化に取り組んでいます。ただし、貧困や格差、汚職などの課題も抱えており、持続可能な開発に向けた努力が求められています。

参考文献

岡倉登志『アフリカの歴史──侵略と抵抗の軌跡』明石書店、2001年1月。
舩田クラーセンさやか「紛争後モザンビーク社会の課題──村に戻らない人々」『朝倉世界地理講座──アフリカII』池谷和信、武内進一、佐藤廉也編、朝倉書店、2008年4月。
星昭、林晃史『世界現代史13──アフリカ現代史I 総説・南部アフリカ』山川出版社、1978年12月。

関連項目

モザンビーク独立戦争
ポルトガルの植民地戦争
モザンビーク女性機構

外部リンク

* FRELIMO 公式サイト

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