モルドバ軍

モルドバ軍

モルドバ軍（ルーマニア語: Armata Națională a Republicii Moldova）は、モルドバ共和国の国軍です。内陸国であるため、陸軍と空軍の二軍で構成されています。

概要

2022年の国防予算は4,550万米ドル。総兵力は現役5,150名（陸軍3,250名、空軍600名、兵站支援1,300名）、予備役58,000名です。内務省管轄の準軍事部隊900名も存在します。

モルドバは旧ソビエト連邦の軍備管理義務を受け入れており、1992年にはヨーロッパ通常戦力条約を批准。これにより、主要な軍事装備カテゴリーにおいて包括的な制限が設けられ、制限を超える兵器の破棄が義務付けられました。また、1994年には北大西洋条約機構（NATO）の平和のためのパートナーシップに加盟、核不拡散条約にも加盟しています。

モルドバ軍は、核兵器、化学兵器、生物兵器を保有しないことを原則としています。

歴史

1990年11月、モルドバ国家形成に先立ち、軍事組織として「共和国親衛隊」が創設されました。この部隊は1991年9月に「共和国軍」へ改編され、ソ連崩壊後のモルドバ共和国独立に伴い、現在のモルドバ軍となりました。

当初は志願兵による12,000～15,000人規模への移行が計画されましたが、1991年に国内紛争が勃発したため、18歳から40歳までの男性が徴兵・動員され、一時的に軍が拡大されました。

2021年11月、モルドバ議会は国連レバノン暫定駐留軍（UNIFIL）への参加を承認し、2022年8月から派遣が開始されました。

機構

モルドバ軍の参謀は、以下の組織で構成されています。

参謀本部（キシナウ）
陸軍司令部
空軍司令部
人事局
参謀司令部
兵站総局
戦略計画局
通信情報システム総局
教育・訓練および教義総局
計画・財務・監視局
法務部門
医療部門
参謀連隊「ニコラエ・ペトリカ准将」
憲兵

組織・編制

モルドバ陸軍
モルドバ空軍
ドナウ川駐留部隊
モルドバ国境警察

装備

陸軍

装甲戦闘車両
BMD-1：44両
BTR-D：9両
MT-LB：52両（派生型を含む）
BTR-80：12両
TAB-71：80両
対戦車兵器
9K111 ファゴット 対戦車ミサイル
9K111-1 コンクールス 対戦車ミサイル
SPG-9 無反動砲
MT-12 100mm対戦車砲：31門
火砲・ロケット砲
M-30 122mm榴弾砲：16門
2A36 ギアツィント-B 152mmカノン砲：20門
D-20 152mm榴弾砲：31門
9P140 ウラガン 自走多連装ロケット砲：11両
2S9 ノーナ-S 120mm自走迫撃砲：9両
BM-37 82mm迫撃砲：75門
M-1989 120mm迫撃砲：50門
PM-38 120mm迫撃砲：7門
対空兵器
ZU-23 23mm高射機関砲：28基
S-60 57mm高射機関砲：11基
その他

2014年、アメリカ合衆国はモルドバ軍の平和維持活動能力向上のため、ハンヴィーを寄贈しました。

空軍

詳細は「モルドバ空軍」を参照してください。

その他

モルドバ軍には「国軍の日」（9月3日）という職業上の休日が設けられています。

モルドバ東部には、事実上独立している沿ドニエストル共和国が存在し、独自の軍隊（沿ドニエストル共和国軍）を有しています。また、同地域にはロシア軍が駐留しています。

脚注

[//]: # (補足情報や出典元を記載)

関連項目

カラビニエリ：モルドバの内務省管轄の準軍事組織（国家憲兵隊）。1992年創設。
第1自動車化歩兵旅団「モルドバ」
第86親衛戦闘航空連隊：ソ連空軍の戦闘航空連隊。ソ連崩壊後はモルドバ空軍の指揮下に入りました。

外部リンク

モルドバ国防省公式サイト
* カラビニエリ公式サイト（モルドバ内務省）

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