モーリス・ドニ美術館

モーリス・ドニ美術館：ナビ派の芸術に触れる聖地

パリの西郊、サン＝ジェルマン＝アン＝レーにあるモーリス・ドニ美術館は、フランスを代表する画家のひとり、モーリス・ドニに深く関わりのある美術館です。通称「ル・プリウレ（小修道院）」と呼ばれるこの美術館は、1914年にドニ自身によって取得され、シャンゼリゼ劇場の設計で知られる建築家オーギュスト・ペレの手によって修復されました。

1976年、ドニの家族コレクションと共にこの小修道院は寄贈され、1980年から一般公開されることとなりました。現在では、ナビ派を代表する美術館として、世界中から多くの美術愛好家を惹きつけています。

ナビ派の巨匠たちの競演

美術館には、モーリス・ドニ自身の作品はもちろんのこと、ナビ派の主要メンバーである多くの画家の作品が展示されています。そのコレクションの充実ぶりは、ナビ派の芸術を理解する上で最適な場所と言えるでしょう。

特に注目すべきは、モーリス・ドニの代表作『ル・プリウレ前での自画像』です。この作品は、彼がこの場所と深く関わっていたことを示す重要な証であり、美術館のシンボルと言えるでしょう。

その他、ポール・セリュジエの『タリスマン』や『ルイーズ　ブルターニュの女中』、エミール・ベルナールの『クリシー河畔　雪降るアニエールの散歩』、そしてルイ・アンクタンの『シャンゼリゼのロータリー』など、ナビ派を代表する名画が多数展示されています。

これらに加え、ポール・ゴーギャン、ジョルジュ・ラコンブ、ポール・ランソン、オディロン・ルドン、ピエール・ボナール、エドゥアール・ヴュイヤール、フェリックス・ヴァロットン、テオ・ファン・レイセルベルヘといった、ナビ派だけでなく、ポスト印象派や象徴主義など、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した錚々たる画家の作品も鑑賞できます。

これらの作品を通して、ナビ派の芸術が持つ独特の色彩感覚や、象徴的な表現方法、そして近代絵画への影響を肌で感じ取ることが出来るでしょう。

アクセスと情報

美術館へのアクセスも良好です。パリ中心部からは、車で約30分、RER（高速郊外鉄道）を利用すれば、さらに手軽にアクセスできます。美術館の公式ウェブサイトでは、フランス語で詳細な情報が提供されています。

静寂に包まれた小修道院で、ナビ派の芸術にじっくりと向き合う特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。美術館の落ち着いた雰囲気と、貴重なコレクションの数々は、忘れがたい感動を与えてくれることでしょう。

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