ヤブサンザシ

ヤブサンザシ（藪山査子、学名: Ribes fasciculatum）は、スグリ科スグリ属の落葉低木です。和名は、赤い果実がバラ科のサンザシに似ていることと、藪に生えることに由来します。

分布と生育環境

ヤブサンザシは、本州・四国・九州に加えて、朝鮮半島や中国にも分布しています。山野に稀に自生し、庭木としても栽培されています。

形態

落葉広葉樹の低木であり、高さは1メートルほどまで成長し、株立ち状になります。樹皮は紫褐色から茶褐色で、成長とともに浅く裂けて剥がれます。若い枝は灰白色で、最初は軟毛がありますが、後に無毛になります。枝の樹皮は縦に剥がれ落ち、その後は暗赤色になります。

花と果実

ヤブサンザシは雌雄異株であり、4月から5月頃に黄緑色の花を咲かせます。花は萼が目立ち、花弁のように見えますが、実際の花弁は小さくて目立ちません。果実は液果で、10月から11月頃に赤く熟します。

冬芽と葉痕

冬芽は長さ1センチメートルほどの披針形で、赤褐色をしています。葉痕は三日月形で、両端から稜が出ており、維管束痕が3個あります。

参考文献

* 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽：四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、218頁。ISBN 978-4-416-61438-9。

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