ヤマハギ

ヤマハギ（山萩）

ヤマハギ（学名: Lespedeza bicolor）は、マメ科ハギ属の落葉小低木です。秋の七草の一つとして知られ、「ハギ」といえば一般的にヤマハギを指すこともあります。日本原産で、古くから観賞植物として親しまれてきました。

特徴

形態: 高さ1 - 3mに成長する直立性の小低木です。寒冷地ではより小さく育ちます。樹皮は淡赤褐色で、縦に皮目が並びます。葉は3出複葉で、小葉は広楕円形または広倒卵形をしています。秋には黄葉し、黄色から褐色に変化します。
花: 6 - 9月に、葉の付け根から長い柄を出し、紅紫色の蝶形花を総状花序につけます。花は長さ12 - 15mm程度で、10個ほどがまとまって咲きます。萼の先が丸いのが特徴です。
果実: 10 - 11月に、長さ約1cmの長楕円形の豆果をつけ、中に1つの種子が入っています。
冬芽: 互生し、楕円形で褐色をしています。芽鱗の内側には白い毛が密生しています。

分布

日本（北海道、本州、四国、九州）、朝鮮半島、中国、ウスリーに分布しています。また、観賞用として導入されたアメリカ合衆国の一部地域では、外来種として野生化しています。

名称

単に「ハギ」と呼ばれることも多く、ハギの代表的な種類です。「萩」の字は日本で作られた国字で、古株からよく芽を出すことから「生え芽」の意味があると言われています。英語では、shrubby bushclover、shrub lespedeza、bicolor lespedezaなどの名前で知られています。

利用

観賞用: 庭木や公園樹として広く植えられ、茶花としても利用されます。
飼料: マメ科で栄養価が高く、再生力が強いため、家畜の飼料として用いられてきました。
* 薬用: 葉は茶葉の代用として利用され、根は婦人病の薬として用いられることがあります。

文化

『万葉集』にも詠まれている植物で、秋の到来を告げる花として、また鹿と組み合わせて詠まれることが多いです。花札では、猪と一緒に描かれています。ヤマハギの花言葉は、「思案」「内気」です。

含有成分

葉や根には、ジメチルトリプタミン (DMT) などの成分が含まれています。

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