ヤン坊ニン坊トン坊

概要

『ヤン坊ニン坊トン坊』は、1954年4月から1957年 3月31日までの間、NHKラジオ第1で放送された人気のラジオドラマであり、その主題歌も広く知られています。この作品は、日本のラジオドラマ史上初めて、成人女性が子供の役を演じた記念すべき番組であり、黒柳徹子が初めて主演した作品としても知られています。

黒柳は彼女の著書『トットチャンネル』でこの番組の制作過程や視聴者からの反響について具体的に記述しています。当時、黒柳の演じた子供たちの声が本物の子供の声であると思っている年配者から、「もっと純粋に演技をするように」と励ましを受けるエピソードもあります。

ラジオドラマの音声は、非常に限られた範囲で現存しており、NHKアーカイブスや各地のNHK放送局に設置されている「番組公開ライブラリー」を通じて、1957年の最終回である『アフリカの巻完結大会』を聴くことが可能です。また、教育テレビで放送された飯沢匡に関するプログラムでも黒柳が演じるトン坊に関連する部分が紹介されています。

キャスト

- ヤン坊: 声 - 里見京子
- ニン坊: 声 - 横山道代
- トン坊: 声 - 黒柳徹子
- トマト: 声 - 新村礼子
- その他多数

スタッフ

- 原案: ウォルター・デ・ラ・メア
- 脚本: 飯沢匡

テレビアニメ

この物語は、アニメ化もされており、1995年から1996年にかけて『ヤンボウニンボウトンボウ』というタイトルでNHK-BS2の衛星アニメ劇場にて放送され、後に地上波でも視聴可能となりました。

あらすじ

物語は、白猿の兄弟であるヤン坊、ニン坊、トン坊が、両親に会うために虎の国（中国）から西の国（インド）を目指す冒険に出かけるという内容です。彼らの冒険の中で、様々なキャラクターと出会い、多くの試練に立ち向かう様子が描かれます。

主なキャラクター

- ヤン坊: 長男。責任感が強く、勇敢な性格。
- ニン坊: 次男。お調子者で食いしん坊。
- トン坊: 三男。純真で心優しい性格。
- キツネ男: 貪欲でずる賢い敵役。兄弟の冒険を妨害します。

他にも、旅を助けるフクロウおじさんや、同じく旅をする仲間たちが登場します。物語は、兄弟の成長や友情、家族の絆をテーマにしながら展開していきます。

音楽

アニメ版の主題歌は「今日は昨日の明日」で、エンディングには「たからもの」が採用されています。

本作に関連する文献

飯沢匡の著作による絵本やサウンドトラックCDも発表され、作品の世界観をさらに広げています。これらの影響はその後の多くの作品にも見られます。