ユウゲショウ

ユウゲショウ（夕化粧）

ユウゲショウ（学名：Oenothera rosea）は、アカバナ科マツヨイグサ属に分類される多年草です。原産地はアメリカ大陸で、日本には明治時代に観賞用として持ち込まれました。現在では、関東地方以西の温暖な地域で野生化しており、道端や空き地などでよく見られます。

和名の「夕化粧」は、夕方に花が開く様子と、艶やかな花色に由来するとされています。しかし、実際には昼間でも開花した花を見ることができます。また、オシロイバナの通称と紛らわしいため、アカバナユウゲショウ（赤花夕化粧）と呼ばれることもあります。

特徴

形態:
多年草で、株立ち状に生え、高さは20～30cm、時には50～60cmに達します。
茎には白い柔毛が生えています。
葉は互生し、やや広い披針形をしています。根生葉は先端が丸く、時には羽状に裂けます。茎につく葉は先端が尖り、縁には波状の鋸歯があります。
花:
開花時期は夏から秋（5月～9月）にかけてです。
茎の上部の葉の付け根から、直径1～1.5cmほどの薄紅色の花を一つずつ咲かせます。
花弁は4枚で、紅色の脈があり、中心部は黄緑色です。
雄しべは8本で、葯はやや紅を帯びた白色です。雌しべの先端は紅色で4つに裂けます。
萼は4枚で淡い色をしています。
果実:
熟した果実は、雨に濡れると裂開し、種子を散布します。
果実は8本の稜があり、断面は八角形をしています。
種子は淡褐色で、表面は滑らかです。

分布

ユウゲショウの原産地は南米から北米南部です。現在では、帰化[[植物]]として世界中の温暖な地域に広く分布しています。

日本では、明治時代に観賞用として導入されたものが野生化しており、関東地方以西でよく見られます。帰化範囲は広いものの、個体数は少ないとされています。

アカバナ属との違い

ユウゲショウは、全体の雰囲気や花の色がアカバナ属の植物に似ていますが、いくつかの点で区別できます。

葉の付き方: ユウゲショウの葉は互生するのに対し、アカバナ属の葉は対生します。
果実と種子: アカバナ属の果実は棒状で、種子には羽毛状の毛がありますが、ユウゲショウの果実は稜があり、種子には毛がありません。

その他

ユウゲショウは、その美しい花と観賞価値の高さから、園芸植物としても親しまれています。繁殖力が強く、一度生えると広がりやすい性質があるため、栽培する際には注意が必要です。

参考文献

長田武正『原色日本帰化[[植物]]図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。
平野隆久写真『野に咲く花 : 写真検索』林弥栄監修、門田裕一改訂版監修（増補改訂新版）、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2013年、319頁。ISBN 978-4-635-07019-5。
岩瀬徹『形とくらしの雑草図鑑 : 見分ける、身近な280種』全国農村教育協会〈野外観察ハンドブック〉、2007年、73頁。ISBN 978-4-88137-135-0。
岩瀬徹・川名興・飯島和子『校庭の雑草』（4版）全国農村教育協会〈野外観察ハンドブック〉、2009年、83頁。ISBN 978-4-88137-146-6。

外部リンク

Germplasm Resources Information Network (GRIN)（英語）
Integrated Taxonomic Information System（英語）
National Center for Biotechnology Information(NCBI)（英語）
Encyclopedia of Life（英語）
国立環境研究所 侵入生物データベース
岡山理科大学生物地球学部 植物雑学事典

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