ユシサウルス

ユシサウルス (Yuxisaurus)

ユシサウルスは、前期ジュラ紀（シネムーリアン - トアルシアン）に生息していた装盾類の恐竜です。中国南西部の雲南省玉渓市に位置する馮家河層から化石が発見されました。属名は、化石が発見された場所にちなんで「玉渓のトカゲ」という意味が込められています。

発見と命名

ユシサウルスは、当初2021年末にプレプリント論文として公開されましたが、当時はまだ正式な発表ではなかったため、有効な属とは見なされていませんでした。その後、2022年3月に正式に発表され、認められることとなりました。ホロタイプ標本であるCVEB 21701は、部分的な骨格で構成されており、頭蓋骨の一部、複数の脊椎骨、四肢の骨、そして少なくとも120個の皮骨が含まれています。種小名の"kopchicki"は、生物学者のジョン・コプチック氏に敬意を表して命名されました。

分類

ユシサウルスは、装盾亜目の中で、最も原始的なグループに属すると考えられています。系統解析の結果によっては、ドイツで発見されたエマウサウルスの姉妹群に位置づけられる可能性や、スケリドサウルスや寛脚類よりもさらに下位に分類される可能性も示唆されています。

ユシサウルスの発見は、前期ジュラ紀において装盾類がアジア地域に生息していたことを明確に示す重要な証拠となります。これまでにも、ビエノサウルスやタティサウルスといったアジアの前期ジュラ紀の装盾類の化石が報告されていましたが、いずれも断片的で、その分類上の位置づけや特徴を詳しく知ることは困難でした。ユシサウルスの発見は、初期の装盾類の進化と分布を理解する上で、非常に重要な意味を持っています。

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