ユー・ベター・ユー・ベット

ユー・ベター・ユー・ベット (You Better You Bet)

ザ・フーの1981年のアルバム『フェイス・ダンシズ』に収録された楽曲。ピート・タウンゼントによって作詞・作曲され、シングルとしてもリリースされました。

解説

この曲は、ドラマーのキース・ムーンの死後、ケニー・ジョーンズが加入して初めてのザ・フーの作品です。非常にキャッチーなメロディーで、世界中で大ヒットしました。

歌詞には、T・レックスやザ・フーの代表作『フーズ・ネクスト』が登場します。タウンゼントは、ジャッキー・ヴィッカーズという女性のためにこの曲を書いたと自伝で明かしています。ロジャー・ダルトリーもこの曲を「気に入っている」と語っていますが、ジョーンズのドラムについては「バンドの化学反応を台無しにしてしまった」と不満を漏らしています。

タウンゼントは、この曲のレコーディングに久々にリッケンバッカーの12弦ギターを使用し、キーボードにはヤマハのエレクトーン「E-70」を使用しました。

プロモーションビデオも制作され、当時発足されたばかりのMTVで最初に流されたものの一つとなりました。この曲のデモ・バージョンは、タウンゼントのソロ・コンピレーションアルバム『アナザー・スクープ』（1987年）に収録されています。

1981年1月25日にバンドのイギリス・ツアーの初日に初演されて以降、ザ・フーのコンサートでの定番曲となっています。

評価

「ユー・ベター・ユー・ベット」は、イギリスで9位となり、1976年の「恋のピンチ・ヒッター」（再発版）以来となるトップ10入りを果たしました。2024年現在、バンドのシングルがイギリスで10位以内にランクインしたのはこの曲が最後です。アメリカのBillboard Hot 100では18位でしたが、同Mainstream Rockでは5週連続1位を記録しました。

ローリングストーン誌は、この曲をバンドのベストソングの32位にランク付けし、オールミュージックのMike DeGagneは、「『フェイス・ダンス』の中では最も力強い曲と言えるだろう」と評価しています。

演奏メンバー

ロジャー・ダルトリー - リードボーカル
ピート・タウンゼント - エレクトリックギター、キーボード、バッキングボーカル
ジョン・エントウィッスル - ベース、バッキングボーカル
ケニー・ジョーンズ - ドラムス
* ジョン・“ラビット”・バンドリック - キーボード

「ユー・ベター・ユー・ベット」は、ザ・フーの歴史において重要な位置を占める楽曲であり、現在も多くのファンに愛され続けています。

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