ヨハネ23世 (ローマ教皇)

ヨハネ23世の生涯

基礎情報

ヨハネ23世（ラテン語: Ioannes XXIII、本名アンジェロ・ジュゼッペ・ロンカッリ）は、1881年11月25日にイタリア王国のベルガモ郊外の小作農の家庭に生まれました。彼は1963年6月3日に亡くなるまで、ローマ教皇として1958年から在位しました。教皇としての彼の業績の中でも特に重要なのは、第2バチカン公会議を主導したことです。ヨハネ23世の生涯は、他の教会や宗教との対話の重要性を強調し、教会の近代化を目指すものでした。

教会での活動

ロンカッリは1905年に司祭に叙階され、第一次世界大戦では従軍司祭として従軍しました。戦後、彼はブルガリアやトルコ・ギリシャなど非ローマ・カトリック国での使節としての役割を果たしました。これらの経験が彼の国際的な視野と対話の精神を育む土台となりました。1944年にはパリに派遣され、この地で誠実に困難な状況に対処しました。1953年には枢機卿に任命され、さらにヴェネツィアの総大司教に就任しました。

教皇としての選出

1958年、教皇ピウス12世の死去を受けて開かれたコンクラーヴェで、ロンカッリは76歳という高齢で教皇に選出されました。彼の選出は世界中に驚きをもたらし、当初は「つなぎの教皇」と見られていました。しかし、彼の素直な性格や親しみやすさ、ユーモアのセンスは急速に多くの人々を引きつけました。

エキュメニズムの推進

ヨハネ23世は、エキュメニズム（教会の一致）の精神を持って、他のキリスト教会や宗教との対話を推進しました。彼の任期中、初めてイングランド国教会の大主教をバチカンに迎え、正教会に対しても公式なメッセージを送っています。また、冷戦時代には、キューバ危機の際に米ソ双方の仲介に尽力するなど、国際的な平和にも貢献しました。

第2バチカン公会議

ヨハネ23世は、カトリック教会の近代化を意図して第2バチカン公会議を開催するよう指示しました。彼は準備委員会を設立し、1962年10月にこの公会議を実現しました。しかし、彼自身はこの会議の最中に病に倒れ、1963年6月3日に亡くなりました。

列福と列聖

教皇ヨハネ・パウロ2世は、2000年9月3日に彼の遺体が腐敗を免れていたことを奇跡として認定し、列福しました。その後、2013年7月に教皇フランシスコによって列聖式が行われ、ヨハネ23世は正式に聖人として認められました。

まとめ

ヨハネ23世は、その生涯を通じて教会の改革や他宗教との対話を重視し、カトリック教会に新たな風を吹き込みました。彼の業績は、現在でも教会が直面している課題に対するヒントを与え続けています。

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