ライオン級巡洋戦艦

ライオン級巡洋戦艦（Lion Class Battlecruiser）

ライオン級巡洋戦艦は、イギリス海軍が1909年度計画で建造した巡洋戦艦の艦級です。この級は、時代を遡るオライオン級戦艦とともに、13.5インチ（34.3cm）砲を搭載した超弩級巡洋戦艦として知られています。その特異なデザインにより、後に「すてきな猫たち（Splendid Cats）」と呼ばれるようになりました。

設計と建造

ライオン級は、1910年代初頭に建造され、計3隻の艦が完成しました。1930年代の技術革新を受け、艦艇は「ライオン」、「プリンセス・ロイヤル」、そして「クイーン・メリー」と名付けられた艦のために設計された。

これらの艦は1912年から1913年にかけて順次竣工し、いくつかの重要な変更が行われました。主砲は34.3cm（13.5インチ）を採用し、砲塔配置は中心線上に配置され、艦全体の速力も27ノットに向上しました。また、防御力も強化され、特に水線装甲は229mmに増加しました。

ライオン級の艦体は先代のオライオン級戦艦を上回り、全長は213m、排水量は26,270トンにも達します。これにより、艦首砲塔を背負い式で2基、そして中央部に1基の砲塔が配置され、艦の首尾線方向における火力が増強されました。

軍務経歴

この艦級は、第一次世界大戦においてヘルゴラント・バイト海戦、ドッガー・バンク海戦、ユトランド沖海戦に参加しましたが、クイーン・メリーはユトランド沖海戦で戦没しました。残った2艦は戦後、ワシントン海軍軍縮条約により廃棄されました。

艦形と構造

本級の艦形は長船首楼型を採用し、艦首は水線下で突出しており浮力を確保しています。甲板には傾斜が無く、連装砲塔が2基装備されています。煙突は全て太さが異なり、艦載艇置き場の配置が独特でした。特に、艦の後部には八角柱型の構造物が設けられ、その上に後部マストと司令塔が配置されています。

兵装について

主砲には新開発の「Mark V 1912年型 34.3cm砲」を採用し、最大射程は21,710mに達します。副砲としては10.2cm（45口径）の速射砲を搭載し、全体で16基の副砲が並びます。艦はまた、魚雷発射管や高角砲なども装備しており、防空能力も確保しています。

機関と防御

機関は前部にボイラー室、後部に機関室を配置した旧式な設計ですが、直結タービンを用いて最大出力70,000馬力を発揮し、速力27ノットを実現しています。防御力は229mmの側面装甲ですが、主砲塔の弾薬庫は軽装甲であり、実戦においてその限界が証明されました。艦は1940年頃まで運用され、その存在は第一次世界大戦の海上戦闘において欠かせないものでした。

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