ライブ・アース

ライブ・アース：地球温暖化防止への音楽の力

ライブ・アースは、地球温暖化に対する意識を高め、具体的な行動を促すために企画された、世界規模のチャリティーコンサートです。2007年 7月7日に世界各地で開催され、テレビ、ラジオ、インターネットを通じて150カ国以上、約20億人が視聴しました。

開催の背景

このコンサートは、地球温暖化問題の解決を目指すプロジェクト「S.O.S.（Save Our Selves）」が主催しました。中心となったのは、アフリカ貧困撲滅支援コンサート「LIVE 8」でエミー賞を受賞したケビン・ウォールと、ドキュメンタリー映画「不都合な真実」で知られる元アメリカ副大統領のアル・ゴアです。

彼らは2007年2月15日に開催を提案し、7つの大陸で9つのコンサートと視聴者参加型の4会場を設けました。100人以上のミュージシャンが集結し、24時間体制で150カ国に中継され、世界中の観客に向けて気候変動問題の解決に向けたメッセージを発信しました。

S.O.S.キャンペーンのミッション

S.O.S.（SAVE OUR SELVES＝自分自身を救え）キャンペーンは、個人が消費者としての行動を変え、企業や政治のリーダーに働きかけ、気候変動の危機に対処する方法を決定することを目的としていました。S.O.S.のメッセージは、誰もがどこにいても、気候変動の危機を解決するための呼びかけに応えることができる、またそうしなければならないと訴えました。

2007年ライブ・アースの開催地と主な出演アーティスト

2007年のライブ・アースは、以下の都市で開催されました。

南アフリカ・ヨハネスブルグ: コカ・コーラ・ドーム
アメリカ・イーストラザフォード: ジャイアンツ・スタジアム
アメリカ・ワシントンD.C.: ナショナル・モール
ブラジル・リオデジャネイロ: コパカバーナビーチ
日本・千葉市: 幕張メッセ
日本・京都市: 東寺
中国・上海: 東方明珠電視塔
オーストラリア・シドニー: オージー・スタジアム
イングランド・ロンドン: ウェンブリー・スタジアム
ドイツ・ハンブルク: HSHノードバンク・アレナ
南極・アデレード島: ロゼラ研究基地

各会場には、以下のような著名なアーティストが出演しました。

ウェンブリー・スタジアム（ロンドン）: ジェネシス、レイザーライト、スノウ・パトロール、ブラック・アイド・ピーズ、ジョン・レジェンド、デュラン・デュラン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、メタリカ、マドンナ
ジャイアンツ・スタジアム（イーストラザフォード）: キース・アーバン、リュダクリス、フォール・アウト・ボーイ、エイコン、ジョン・メイヤー、アリシア・キーズ、ボン・ジョヴィ、ポリス
幕張メッセ（千葉）: 元気ロケッツ、RIZE、絢香、大塚愛、AI、リンキン・パーク、倖田來未、リアーナ
東寺（京都）: RIP SLYME|RIP_SLYME、UA、BONNIE PINK|BONNIE_PINK、Yellow Magic Orchestra
オージー・スタジアム（シドニー）: クラウデッド・ハウス、ミッシー・ヒギンズ、ウルフマザー、ジャック・ジョンソン
HSHノードバンク・アレナ（ハンブルク）: シャキーラ、スヌープ・ドッグ、エンリケ・イグレシアス、クリス・コーネル
コパカバーナビーチ（リオデジャネイロ）: ファレル・ウィリアムス、メイシー・グレイ、レニー・クラヴィッツ

その後のライブ・アース

2008年12月にはインドのムンバイで2回目の開催が予定されていましたが、ムンバイ同時多発テロの影響で中止となりました。

2015年には、パリで開催される気候変動会議（COP21）に向けて、『Road to Paris』という副題でライブ・アースが企画されました。当初は世界的なフェスティバルとして計画されましたが、規模は縮小され、アル・ゴアのNGO団体Climate Realityが主催するイベント「24 Hours of Reality」の一環として、「24 Hours of Reality and Live Earth」という名称でインターネット配信形式で開催されました。

ライブ・アースの意義

ライブ・アースは、音楽の力を通じて地球温暖化問題への関心を高め、世界中の人々に具体的な行動を促すことを目的としたイベントです。多くのアーティストや著名人が参加し、メディアを通じて広範な視聴者にメッセージを届けることで、地球温暖化問題に対する意識を高める上で大きな役割を果たしました。

放送について

2007年のコンサートは、世界120社がテレビ・ラジオで同時中継しました。日本ではNHKやフジテレビ、ニッポン放送などで放送されました。

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