ライベリー

ライベリー：オーストラリア原産の美しい果樹

ライベリー(Riberry)は、オーストラリア東海岸の温帯雨林や熱帯雨林に自生するフトモモ科の常緑低中木です。クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州でよく見られ、その美しい樹姿から、オーストラリアでは庭木や街路樹として広く親しまれています。チェリーサティナッシュ、チェリーアルダー、クローブ・リリーピリーといった別名でも知られています。

ライベリーの特徴

ライベリーは最大で樹高30メートル、幹の直径90センチメートルにまで成長する大木です。まっすぐに伸びる主幹と、赤茶色からピンク色に色づく、ユーカリのような薄く剥がれる樹皮が特徴的です。しかし、栽培環境下では、7メートルを超える高さに成長することは稀です。

生育には、火山灰を多く含む、湿潤な土壌が適しています。乾燥には弱いため、水はけの良い土壌を選び、定期的な水やりが必要です。

葉と花

ライベリーの葉は光沢があり、新葉の頃はピンクや赤色に色づいていますが、成長するにつれて濃緑色に変化します。葉からは、近縁種のクローブに似た芳香が漂います。開花時期は11月から12月で、クリーム色の小さな花弁（約1.5mm）が集合して咲きます。5mmほどの長さの雄蕊は、フトモモ科植物の特徴をよく表しています。

果実

直径約13mmのライベリーの実は、中に約4mmの種子を一つ含んでいます。12月から2月頃に熟し、エミューなどのオーストラリアの野鳥が好んで食べます。しかし、種子の発芽率は高くありません。

果実は酸味があり、クランベリーとクローブを思わせる独特の香りが特徴です。生食することもできますが、その風味を生かしたジャム、ソース、シロップ、お菓子などの加工品として利用される方が一般的です。商業栽培はさほど盛んではありませんが、1980年代前半から注目を集め始め、オーストラリアのブッシュ・タッカー（オーストラリア原産の食用植物）として人気が高まっています。

まとめ

ライベリーは、その美しい樹姿と独特の風味を持つ果実から、観賞用と食用両方の用途で高く評価されているオーストラリア原産の植物です。その独特の香りと酸味は、オーストラリアの食文化に彩りを添えています。今後の研究により、より効率的な栽培方法や新たな利用法の開発が期待されます。

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