ライヴ・イン・ジャパン (ディープ・パープルのアルバム)

ディープ・パープル『ライヴ・イン・ジャパン』：伝説の日本公演を捉えた不朽の名盤

1972年8月、ハードロックバンド、ディープ・パープルが初めて日本でコンサートを開催。その模様を収録したライブ・アルバムが『ライヴ・イン・ジャパン』です。海外では『Made in Japan』としてリリースされ、ロック史に残る傑作として、世界中で愛されています。「ローリング・ストーン誌が選んだオールタイム・ライヴ・アルバム50」では、32位にランクインしました。

黄金期のメンバーによる、一体感あふれる演奏

当時のディープ・パープルは、イアン・ギラン、リッチー・ブラックモア、ジョン・ロード、ロジャー・グローヴァー、イアン・ペイスという、後に黄金期と呼ばれる第2期のメンバーで構成されていました。彼らの演奏は一体感に満ち溢れ、各メンバーの卓越した技術と、エネルギッシュなパフォーマンスが、聴衆を圧倒しました。日本公演におけるライブ・アルバムの先駆けとしても、非常に重要な作品です。

アルバム制作の裏側

日本公演にあたり、日本のレコード会社、ワーナーパイオニアからライブ・アルバム制作の打診がありました。当初、メンバーは乗り気ではなかったものの、以下の条件で合意しました。

日本のみでの発売とし、演奏状態が悪ければ発売しない。決定権はディープ・パープル側にある。
ディープ・パープル側のスタッフが録音を行う。
* ディープ・パープル側がテープを持ち帰り、ミックス・ダウンを行う。

公演は8月15日、16日に大阪フェスティバルホール、17日に日本武道館で行われました。アルバムジャケットには日本武道館での写真が使用されていますが、収録曲の多くは大阪フェスティバルホールで録音されたものです。

ロジャー・グローヴァーは、「初日の大阪公演はレコーディングを意識しすぎて硬くなり、東京公演は雑になった」と語っています。そのため、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は、リフをミスしなかった初日のテイクが採用されました。録音には日本製機材が使用され、演奏・録音状態ともに予想を上回る出来だったため、日本のみで発売されることになりました。その後、輸入盤として海外に出回ったことがきっかけで、『Made in Japan』と改題され、ジャケットも変更。世界中でリリースされることになったのです。

世界的な評価と影響

アルバムは、本国イギリスやヨーロッパはもちろん、アメリカでも大ヒット。ビルボードチャートで最高6位を記録し、プラチナディスクを獲得しました。シングルカットされた「スモーク・オン・ザ・ウォーター」も全米4位となり、アルバムの売り上げを後押ししました。

収録曲

1. ハイウェイ・スター
2. チャイルド・イン・タイム
3. スモーク・オン・ザ・ウォーター
4. ミュール
5. ストレンジ・ウーマン
6. レイジー
7. スペース・トラッキン

1998年のリマスター版では、「ブラック・ナイト」「スピード・キング」「ルシール」が追加収録されました。

伝説を未来へ

『ライヴ・イン・ジャパン』は、単なるライブ・アルバムという枠を超え、ディープ・パープルの音楽性を凝縮した、まさに金字塔とも言える作品です。彼らの熱いパフォーマンスと、観客の興奮がダイレクトに伝わってくるこのアルバムは、これからも多くの音楽ファンに愛され続けるでしょう。

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