ラウレアーノ・ゴメス・カストロ

ラウレアーノ・ゴメス・カストロ：保守派政治家

ラウレアーノ・ゴメス・カストロ（1889年2月20日-1965年7月13日）は、コロンビアの政治家であり、コロンビア共和国の第18代大統領を務めました。

生涯

ボゴタで生まれたゴメスは、コロンビア国立大学で工学を学びました。卒業後、ジャーナリストとして活動を開始し、1909年から1916年まで新聞『ラ・ウニダ』の編集者を務めました。

1932年には保守党の党首に就任し、政治家としての頭角を現します。彼はスペインのフランシスコ・フランコを支持し、独裁的な政治体制を支持しました。また、普通選挙を「社会のヒエラルキー的性質と矛盾する」として反対しました。

1936年2月1日には、保守的な新聞『エル・シグロ』を創刊し、リベラル勢力への批判を展開しました。その過激な言動から、自由党支持者からは「怪物」と呼ばれることもありました。

1948年4月9日、自由党の政治家ホルヘ・エリエセル・ガイタンが暗殺された事件をきっかけにボゴタ暴動が発生すると、『エル・シグロ』の本社は焼き討ちにあいました。

1950年の大統領選挙で当選し、8月7日にコロンビア大統領に就任しました。前任者のマリアーノ・オスピナ・ペレスに続いて非常事態宣言を継続し、自由党と共産党の活動家を弾圧しました。しかし、反共の立場から朝鮮戦争にコロンビア陸軍の一個大隊を派遣しました。

ゴメスは大統領として、強力な行政権が社会秩序に不可欠であると考えました。自由主義を批判し、議会制民主主義を軽蔑しました。社会はエリートによって支配されるべきだと主張し、憲法改正を通じて世俗化を阻止し、政治体制を再構築しようとしました。具体的には、大衆の政治参加を制限し、共産主義革命を防ぐことを目指していました。

1951年10月28日に心臓発作で入院し、その後、議会に憲法改正を求める手紙を送りました。同年11月5日に辞職を余儀なくされましたが、制憲議会はファシズム的な法制を次々と可決し、大衆の権利を抑制し、行政権を拡大しました。また、大統領の任期を延長し、カトリックの教義を公教育の指針としました。

ゴメスは病床からこれらの決定を支持し、強化された行政権が共産主義の支配を防ぎ、地方の暴力を終結させると主張しました。また、普通選挙が引き起こした政治的混乱を企業支配が終わらせると主張しました。しかし、1953年6月13日にグスタボ・ロハス・ピニージャ将軍によるクーデターが発生し、ゴメス政権は打倒され、改憲の試みは阻止されました。

クーデター後、スペインに亡命しましたが、コロンビア保守派の重鎮として影響力を保持し続けました。帰国後、1965年7月13日にトゥンハで亡くなるまで保守党を支配しました。

ゴメスは作家、美術評論家、芸術のパトロンでもあり、コロンビアの芸術文化に貢献しました。

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