ラジシャヒ

ラジシャヒ

ラジシャヒ（ベンガル語: রাজশাহী、英語: Rajshahi）は、バングラデシュの西部に位置する都市で、国内で4番目に人口が多い地域です。この都市はインドとの国境に近く、パドマ川（ガンジス川の支流）の左岸に面し、北西から南東にかけて流れる美しい川に囲まれています。面積は96.69平方キロメートルで、2005年の時点での人口は約647,545人でした。ラジシャヒは、バングラデシュの西部地域における政治、経済、文化、交通の中心地として重要な役割を果たしています。ラジシャヒ管区の管轄本庁が置かれており、特に絹製品の生産が有名です。

歴史

ラジシャヒは、1825年にムガル帝国時代に政治の中心地として発展し始めました。旧政庁が約40キロ東のナトールから移転されたことで、この地を統治するための役所が設置され、すでに商業の中心地として知られていたラジシャヒは、さらに重要性を増しました。そして1857年に発生したセポイの乱の際には、地域内の反乱を鎮圧するために欧州人によって編成された義勇軍の司令部が置かれました。1876年には町として地方自治体が設立され、さらに1991年には市に昇格しました。

経済

ラジシャヒの経済は、特に養蚕業に大きく依存しています。周辺地域の土壌は桑の生育に適しており、生産された繭はラジシャヒに集められます。ここで作られた生糸は、絹織物に加工され、国内外に出荷されています。ラジシャヒ産の絹サリーは特に有名で、他のイスラム文化圏でも高い評価を受けています。また、その他の主要な農産物としては、マンゴー、ライチ、米、小麦、サトウキビ、植物油脂原料、ジュート、インディゴなどがあり、これらも地域の重要な産業となっています。

文化

ラジシャヒには、教育機関や文化施設がいくつか存在します。中でもラジシャヒ大学は、1953年に設立された国内第3の総合大学であり、多くの学生に教育の機会を提供しています。また、バレンドラ博物館は1910年に設立され、考古学や地域文化に関する貴重なコレクションを展示しています。特に、モヘンジョダロの遺物や、16世紀から19世紀までのヒンドゥー教、仏教、イスラム教に関連する興味深い遺物が多く収蔵されており、一般の人々は無料で見学することができます。

交通

ラジシャヒへのアクセスは非常に便利で、首都ダッカからは約270キロメートル、ラジシャヒ空港からは空路で約30分です。鉄道は市内の中心を東西に走っており、ダッカとの間には一日3便の特急列車が運行しています。所要時間は約6時間ですが、ジャムナ川に橋がかかる以前は連絡船を利用する必要があったため、移動には約17時間かかっていました。これにより、ラジシャヒはバングラデシュの重要な交通の要所としても知られています。

ラジシャヒは、歴史的遺産や豊かな文化遺産に恵まれた都市であり、バングラデシュにおける価値ある自治体と言えるでしょう。

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