ラズベリー (曖昧さ回避)

ラズベリー：多様な意味を持つ言葉

ラズベリーは、私たちにとって馴染み深い果実の名前です。しかし、その言葉は、バラ科キイチゴ属の果実を指すだけでなく、英語圏のスラングから、映画賞、コンピュータ、音楽作品、ゲームソフト、そしてアイドルグループ名に至るまで、幅広い文脈で使用されています。本稿では、ラズベリーの多様な意味合いについて詳細に解説します。

1. 食用果実としてのラズベリー

まず、最も一般的な意味である食用果実としてのラズベリーについてです。ラズベリーは、バラ科キイチゴ属に属する様々な種類の果実の総称です。小さな粒が集まって集合果を形成しており、その甘酸っぱい風味と鮮やかな赤色（種類によっては黄色や黒色もある）で、ジャム、ジュース、ケーキなどの加工食品や、そのまま生食として世界中で親しまれています。栽培も盛んに行われており、様々な品種が開発されています。その豊かな風味と栄養価から、健康食品としても注目されています。

2. ラズベリー：英語圏のスラング

英語圏では、ラズベリーは「ブーイング」を意味するスラングとしても使用されます。具体的には、唇を軽く震わせて出す音、舌を唇の間にはさんで震わせる音を指し、不興や反対の意思表示として用いられます。このスラングが語源となって生まれたのが、後に説明するゴールデンラズベリー賞です。

3. ゴールデンラズベリー賞

ゴールデンラズベリー賞（Razzie Awards）は、アメリカ合衆国で毎年行われる映画賞です。その名のとおり、前述のラズベリーのスラングに由来しており、その年の最低の映画や演技を表彰することで知られています。皮肉を込めた賞として人気があり、アカデミー賞の授賞式の前夜に開催されることも多いことから、注目を集めています。

4. ラズベリーに関連する商品・作品名

ラズベリーという名前は、様々な商品や作品名にも使われています。例として、日本のゲーム雑誌『RASPBERRY』（ソフトバンクパブリッシング、2001年～2004年）、イギリスのラズベリーパイ財団が開発したシングルボードコンピュータ『Raspberry Pi』などが挙げられます。

音楽シーンにおいても、TRICERATOPSのデビューシングル『Raspberry』、スピッツの楽曲『ラズベリー』（アルバム『空の飛び方』収録）など、多くの楽曲にその名が登場します。さらに、日本のゲームメーカー戯画が2004年に発売したアダルトゲーム『らずべりー』も存在します。

5. ラズベリーを名に持つ団体

ラズベリーという名称を持つグループとして、アメリカ合衆国のロックバンド『The Raspberries』や、1990年代初頭に活動した日本のアイドルグループ『ラズベリー』（メンバー：五十嵐美穂、後藤麻里、十朱理乃）が知られています。後者のグループは、シングル「ねぇ! カリメロ/恋に気をつけて」をリリースしています。

まとめ

このように、ラズベリーは果実としての意味以外にも、スラング、映画賞、コンピュータ、音楽、ゲーム、アイドルグループ名など、多様な文脈で用いられる多義語です。それぞれの文脈における意味を理解することで、より深くラズベリーという言葉を理解することができるでしょう。

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