ラパス (バハ・カリフォルニア・スル州)

ラ・パス（La Paz）

ラ・パスはメキシコのバハ・カリフォルニア・スル州の中心都市であり、州都としての役割を果たしています。2020年の調査では、約25万人の人口を抱え、ラパス基礎自治体全体では約30万人が生活していることが特徴です。また、自治体の面積は20,275平方キロメートルに及び、メキシコ国内で第4位の広さを誇ります。トドス・サントスといった周辺の町も含まれています。

地理的特性

この都市はバハ・カリフォルニア半島の南端、東側に位置し、カリフォルニア湾に面しています。特にラ・パス湾は、マングローブ林が生い茂り、豊かな生態系を育む場所です。周辺の海域には14種のサメや、多数の水鳥（オオアオサギやアマサギなど）、さらにはカリフォルニアアシカやアライグマといった哺乳類も生息しています。このエリアは2008年にラムサール条約によって登録された湿地ともなっており、自然環境の保護努力が行われています。

歴史的背景

ラ・パスには、少なくとも1万年前から新石器時代の狩猟採集民が住んでおり、彼らの痕跡は岩絵として今も残っています。1535年にはエルナン・コルテスが到達し、「サンタ・クルス」と名付けましたが、植民地化は失敗しました。1596年になるとセバスティアン・ビスカイノがこの地に「ラ・パス」という名前を付けましたが、同じく植民には至りませんでした。

1720年にはイエズス会の宣教師によって「柱の聖母の伝道所」が建設され、19世紀後半には現在のラパス大聖堂が完成しました。1830年には天候による影響で州都ロレトが被害を受け、その後ラ・パスが州都となりました。1854年にはウィリアム・ウォーカーのソノラ共和国の首都として一時期機能しましたが、彼の計画は失敗に終わります。1974年にバハ・カリフォルニア・スル州が独立した際には、その州都としての地位が強化されました。しかし、1976年にはハリケーンによる洪水被害が発生し、多くの命が失われる悲劇もありました。

交通の便

ラ・パスには国際空港があり、南西方向に位置しています。これにより、観光客や住民が容易に他地域との交通を行うことができるようになっています。さらに、カリフォルニア湾を渡るフェリーがマサトランと接続しているため、海路でのアクセスも便利です。

姉妹都市

ラ・パスは、アメリカ合衆国カリフォルニア州のレドンドビーチと姉妹都市関係を結んでおり、国際的な交流が図られています。

まとめ

ラ・パスはその豊かな自然環境と歴史的背景が魅力で、訪れる人々を惹きつけています。未来に向けた発展を続けるこの街は、観光地としても、住む場所としても非常に魅力的です。

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