ラミロ・デ・レオン・カルピオ

ラミロ・デ・レオン・カルピオ：グアテマラの政治家、大統領（1993年-1996年）

ラミロ・デ・レオン・カルピオ（Ramiro de León Carpio、1942年1月12日 - 2002年4月16日）は、グアテマラの政治家であり、1993年から1996年までグアテマラの大統領を務めました。彼は、直接選挙で選出されたのではなく、ホルヘ・セラノ・エリアス大統領が追放された後の後継者として議会によって選出されたという点で、他の大統領とは異なっています。

生涯と政治活動

グアテマラシティで生まれたデ・レオン・カルピオは、ラファエル・ランディバル大学で法学の学位を取得し、政治社会科学部の教授を務めました。1967年から公務員として様々な政府機関で勤務し、1978年から1983年までグアテマラ砂糖産業協会の法律顧問および総務を務めました。

1983年、いとこのホルヘ・カルピオ・ニコジェと共に、国民中道連合(UCN)という政党を設立し、1986年まで事務局長を務めました。UCNは社会自由主義を提唱する政党でした。ホルヘ・カルピオ・ニコジェは1985年と1990年の大統領選挙に出馬しましたが、いずれも決選投票で敗れています。

オスカル・ウンベルト・メヒア・ビクトレス大統領が1984年に制憲議会を招集した際、デ・レオン・カルピオは議員に選出され、憲法制定に重要な役割を果たしました。

1988年には公共・政治教育所長に就任し、1989年には人権オンブズマンに選出されました。人権オンブズマンとしての経験は、後の大統領としての活動に大きな影響を与えました。

大統領就任

1993年5月25日、ホルヘ・セラノ・エリアス大統領が自主クーデター（アウトゴルペ）を起こし、議会を解散して憲法を停止しました。しかし、6月1日にクーデターは失敗に終わり、セラノ大統領は亡命を余儀なくされました。このクーデターではデ・レオン・カルピオにも逮捕命令が出ましたが、彼は屋根に上って難を逃れ、その後クーデターを非難しました。

軍は副大統領のグスタボ・エスピナを後継の大統領に就けようとしましたが、デ・レオン・カルピオはエスピナがクーデターに加担していたことを理由に反対しました。その結果、6月6日にグアテマラ議会はデ・レオン・カルピオを後継の大統領に選出し、セラノ大統領の残りの任期である2年半の間、大統領を務めることになりました。当時の流動的な政治情勢を安定させるため、デ・レオン・カルピオは軍上層部の編成を変えました。

大統領としての取り組み

デ・レオン・カルピオ政権下でも、URNGゲリラとの対話が続けられました。URNGは停戦に応じ、国際連合グアテマラ人権監視団(MINUGUA)設立の合意がなされました。また、デ・レオン・カルピオは1985年憲法に対して1993年11月に修正を加えました。しかし、望まれていた犯罪、憲法の改革、土地と税の問題などを解決することはできませんでした。

その後

1995年11月の大統領選挙ではアルバロ・アルスが当選し、1996年1月14日に次の大統領に就任しました。

晩年は糖尿病を患い、2002年に訪問先のマイアミで亡くなりました。

ラミロ・デ・レオン・カルピオは、激動の時代にグアテマラの舵取りを担い、民主化と和平プロセスに貢献した政治家として、その名が記憶されています。

もう一度検索