ランチアによって製造されるデルタは、
1979年に発表された
ハッチバック型の
乗用車です。このモデルは、
イタリアの
自動車メーカーとして名高い
ランチアの歴史において重要な位置を占めています。最初のデルタは
1911年に発表されましたが、ここで取り上げるのは
1979年以降の世代です。
第1世代デルタ
1972年まで運営されていたフルヴィア、そしてその後のベータモデルから受け継がれる形で、デルタは特に5ドア
ハッチバックとして登場しました。このモデルは、欧州で人気を博していた
フォルクスワーゲン・ゴルフの流れに乗り、より高級感を醸し出すために、イタルデザインによってデザインされました。
デルタの全長は3,885mm、全幅1,620mmであり、
ホイールベースは2,475mmです。このスタイリングは、大衆向けの車両とは一線を画し、内装にはアルカンターラを贅沢に使用し、「小さな
高級車」としての地位を確立しました。
1980年には、
ランチアとして初の「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
エンジンは全て横置きの
直列4気筒で、1.3L、1.5L、1.6L(ターボ含む)及び1.9Lターボの
ディーゼルエンジンが用意され、特にフルタイム4WDのHFインテグラーレは注目を集めました。これによりデルタは、
ランチアのスポーツカーの象徴ともなりました。
バリエーション
デルタには多くのバリエーションが存在し、各モデルの特徴が異なります。たとえば、LXモデルは1.3Lと1.5Lエンジンを搭載し、レギュラーモデルとして普及。GTモデルはより上級志向な内装を持ち、TDモデルは
ディーゼルエンジンで高トルクを提供しました。特に注目すべきはHFターボモデルで、130PSの
DOHCターボエンジンを誇り、最もサーキット志向のラインとして評価されました。
第2世代デルタ
1993年にはデルタの後継車種として第2世代が登場しました。基本構造は
フィアット・ティーポと同じで、ボディサイズはやや大きく、さまざまなエンジンバリエーションが設定されていました。しかし、先代の印象を強く引き継いだため、販売は限定的になりました。日本市場でも少数の輸入が行われましたが、1999年に生産が終了しました。
第3世代デルタ
続く第3世代は、
2008年に登場し、
CセグメントとDセグメントの中間サイズとして、更なる高級感を求めました。内外装には新しいデザイン要素が取り入れられ、しっかりとしたスタンスとともに、使いやすい機能を備えています。エンジンには
ターボチャージャーが搭載され、さまざまな
トランスミッションオプションも用意されていました。
モータースポーツでの実績
デルタは特にモータースポーツでも大きな成功を収めています。1987年からはWRC(
世界ラリー選手権)に参戦し、
1992年までに数々のタイトルを獲得しました。この偉業は
ランチアにとっての一つの金字塔といえるでしょう。また、2022年にはワールドラリークロス選手権に、デルタインテグラーレのEVモデルが投入されました。
結論
ランチア・デルタは、そのスタイリングや技術、モータースポーツでの成功など、多くの魅力を持った車です。第一世代から第三世代にわたるモデル群は、
ランチアの歴史において極めて重要な位置を占め、特にラリーの世界では伝説的な存在となっています。