ランディ・ローズ (プロレスラー)

ランディ・ローズ：ミッドナイト・エクスプレスを創った男

"ラヴィシング" ランディ・ローズ（Randall Harmon Alls）は、1956年生まれのアメリカ合衆国出身の元プロレスラーです。彼は、1980年代に一時代を築いたタッグチーム、ミッドナイト・エクスプレスのオリジナル・メンバーとして知られています。

南部テリトリーでの下積み時代

デビュー後、ランディ・ホールやランディ・オルズというリングネームで、NWAの南部テリトリーをジョブ・ボーイとして転戦。フロリダ、ジョージア、テキサスといった地域で、様々なレスラーの引き立て役を務めました。ジョージアでは、スタン・ハンセンやアブドーラ・ザ・ブッチャーといった大物レスラーのジョバーも経験しています。

国際プロレスへの参戦

1978年6月には、ランディ・オルズとして国際プロレスの『ビッグ・サマー・シリーズ』に初来日。その後、カンザスシティのセントラル・ステーツ地区に活動の拠点を移し、1979年1月にはディック・マードックからNWAセントラル・ステーツ・ヘビー級王座を奪取しました。1980年9月にはランディ・ローズとして再び国際プロレスに参戦。アレックス・スミルノフやビッグ・ジョン・クインらと共に外国人勢の先鋒として活躍し、金網デスマッチにも出場。その試合功者ぶりは、関係者から高く評価されました。

ミッドナイト・エクスプレスの結成と活躍

帰国後、SECWを主戦場に、かつて国際プロレスでも共闘したロン・バスとタッグを組み、NWAサウスイースタン・タッグ王座を獲得。その後、デニス・コンドリー、ノーベル・オースチンらとヒールのタッグチーム・ユニット、ミッドナイト・エクスプレスを結成しました。彼らはサウスイースタン・タッグ王座を再三に渡って獲得し、メンフィスのCWAにも参戦。その名を轟かせました。

AWA世界タッグ王座戴冠、そしてWCWへ

ミッドナイト・エクスプレス解散後、ローズはSECWに定着。一方、コンドリーはボビー・イートンと第2期ミッドナイト・エクスプレスを結成し、NWAで活躍しました。その後、ローズとコンドリーはAWAで再合体し、マネージャーのポール・E・デンジャラスリーと共に"オリジナル"ミッドナイト・エクスプレスを名乗り、AWA世界タッグ王座を獲得しました。1988年からはNWA（後のWCW）に参戦し、イートンとスタン・レーンの新生ミッドナイト・エクスプレスとの抗争を繰り広げましたが、1989年にWCWを離脱しました。

全日本プロレスへの参戦

1990年1月、ローズはブッチャーの仲介で全日本プロレスの『新春ジャイアント・シリーズ』に来日。小橋健太の7番勝負の相手を務めました。1991年5月にもブッチャーと共に参戦しています。

引退後

1992年頃に現役を引退し、故郷でチャリティ活動に携わっています。引退後もインディー団体に時折参戦し、2006年にはコンドリーとのオリジナル・ミッドナイト・エクスプレスを再結成。2015年にはロックンロール・エクスプレスとも対戦しました。

得意技

ビッグ・ローズ（ダイビング・フィスト・ドロップ）

獲得タイトル

NWAセントラル・ステーツ・ヘビー級王座：1回
NWAセントラル・ステーツ・タッグ王座：1回（w / ブライアン・セント・ジョン）
NWAサウスイースタン・タッグ王座：13回（w / ロン・バス、デニス・コンドリー×10、ジミー・ゴールデン、パット・ローズ）
ASWAジョージア・タッグ王座：2回（w / ロン・スター、ダグ・サマーズ）
AWA世界タッグ王座：1回（w / デニス・コンドリー）

ランディ・ローズは、その実力と個性的なキャラクターで、多くのファンを魅了しました。彼のプロレス界への貢献は、決して忘れられることはないでしょう。

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