ラントワッサシュレッパー

ラントワッサシュレッパー (Landwasserschlepper, LWS)

ラントワッサシュレッパー（LWS）は、第二次世界大戦中にドイツ軍によって使用された水陸両用のトラクターです。この車両は、当初は非装甲でありながらも陸上と水中の両方で作業できるよう設計されました。1940年代の戦争において、LWSは重要な役割を果たしました。

開発の背景

LWSの開発は1935年に始まりました。ドイツ陸軍の工兵車両としての要請を受け、陸軍兵器局は軽量のタグボートにいくつかの陸上運用能力を持たせるよう指示しました。この計画は、渡河作業や架橋を支援するためのものであり、デュッセルドルフの企業、ラインメタルとボルジッヒが共同で開発を進めました。

LWSは、基本的に装軌化されたボートの後部にプロペラと舵を設置したデザインです。英海軍の水陸ボートであるモーターボートに類似しています。地面を移動する際には、各側に2軸ボギーを持つ転輪を4つ配置し、鉄製の履帯を用いて走行しました。

試作と評価

1940年の秋、完成した3両の試作車両はアシカ作戦の一環として戦車大隊に配属されました。これらの車両は、非動力の艀を牽引するか、対岸までの物資輸送を行うために使われる予定でした。特に引き潮による6時間の間、艀を利用して直接物資を輸送することが計画されていました。

デモンストレーションとして、1940年8月2日にジルト島においてラインハルト試験スタッフがフランツ・ハルダー将軍に対しLWSを披露しました。ハルダーはその車高の高さから視認性が高いことを批判しましたが、全体的な有効性については認識を示しました。LWSによって、単体ではなく1~2両の車両で艀を牽引することが望ましいとの提案がありましたが、量産の難しさがこの計画の実現を妨げました。

生産と運用

開発の遅れにも関わらず、LWSは北アフリカやソ連で運用される場面でその有用性を発揮しました。しかし、正式に制式採用されたのは1942年まで待たなければなりませんでした。1944年には新たなデザインのLWS IIも登場しました。このモデルは、パンツァーフェリー（Panzerfahre）とも呼ばれ、IV号戦車のシャーシを基にしており、よりコンパクトなキャビンと折りたたみ式の給排気煙突を備えた平坦なデッキが特徴です。

LWSは結局、第二次世界大戦の終結まで運用され続けました。多くの状況でその性能が求められ、多目的に使用されることができたこの水陸両用トラクターは、戦史において重要な役割を果たした一例と言えるでしょう。

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