リエパーヤ市電

リエパーヤ市電の概要

リエパーヤ市電（ラトビア語: Tramvaju satiksme Liepājā）は、ラトビアの都市、リエパーヤに存在する路面電車のシステムです。この路面電車は1899年に開通し、ラトビアで最も古い路線の一つとして親しまれています。現在は有限責任会社（SIA）のリエパーヤ路面電車会社が運営を行っています。

歴史的背景

リエパーヤ市内に鉄道を築く計画が発表されたのは19世紀の終わり、具体的には1894年でした。その際、さまざまな鉄道の提案がありましたが、最終的にコスト面で優位性を持つ電動路面電車が選ばれました。1897年には、ニュルンベルクの会社と契約が交わされ、1919年9月14日に営業運転が始まりました。初日の無料運行では、3,000人以上の市民が新しい交通手段を利用しました。

初年度の乗客数は50万人に達し、路面電車は成功を収めましたが、第一次世界大戦を経て、料金制度の変化が影響し、乗客数が減少しました。結果として1939年には路線の一部がバスに置き換えられました。戦後、特に1950年代にソビエト連邦による都市再建が進むと、利用客が回復しました。その後も数回にわたり運行路線の延伸や改良が実施され、1972年には全線複線化が完了しましたが、同年には支線が廃止されています。

1991年にラトビアの独立が回復した後、リエパーヤ市電は市の補助金を受けて運行システムの近代化が進められました。2000年代初頭には、ドイツから譲渡された電車の導入や電子発券機の設置が行われ、2011年には更なる更新が進められました。そして、2013年には新たな路線が開通し、今後も施設の充実が図られる予定です。

現在の運行状況

2020年時点で、リエパーヤ市電は全長7.9kmの路線網を持ち、18の電停を設置しています。自由通り電停からリエパーヤ駅前を経由し、ケンペス通り電停まで接続しています。運行間隔は平日・祝日共に最短7分とし、多くの列車は全区間を約30分で走行します。また、夜間は一部の列車が途中で運行を終了することがあります。リエパーヤ市電は、平均速度が17.25 km/hと、ラトビアの路面電車の中でも最も速い部類に入ります。

運賃は路線バスやミニバスと共通で、乗車券は券売機での購入が必要です。乗車料金は一回0.70ユーロで、10回乗車券は6.60ユーロ、1日乗車券は2.50ユーロで購入できます。

車両について

第二次世界大戦後、リエパーヤ市電では東ドイツ製のゴータカーやチェコスロバキア製のタトラ車両が導入されていましたが、2022年にはこれらが全て廃車されています。現在の主力車両としては、ČKDタトラが製造した2車体連接車のタトラKT4を使用しています。

近代化の一環として、2018年にクロアチアのコンサール・グループと超低床電車の製造契約が結ばれ、すでに多くの車両が導入されております。これにより、古い車両の置き換えが進められており、今後も電停の改良や車庫の拡張工事が行われる予定です。

リエパーヤ市電は、ラトビアの交通機関として重要な役割を果たし続けており、地域住民や観光客に利用される主要な交通手段となっています。

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