リチャード・マーロウ

リチャード・ケネス・マーロウ（Richard Kenneth Marlow, 1939年7月26日 - 2013年6月16日）は、イギリスの著名な合唱指揮者であり、オルガニストでした。サリー州バンステッドで生まれ、その音楽的才能は早くから開花しました。

人物

マーロウは、サザークのセント・オーラヴズ・グラマースクールに通いながら、サザーク大聖堂の聖歌隊長を務めました。17歳という若さでロイヤル・カレッジ・オブ・オルガニストのフェローシップ・ディプロマ（FRCO）を取得し、その才能を広く知らしめました。その後、ケンブリッジ大学セルウィン・カレッジでオルガン奨学生として学び、研究員に就任しました。彼はサーストン・ダートに師事し、17世紀のヴァージナリストであるジャイルズ・ファーナビーに関する博士論文を執筆しました。サウサンプトン大学で教員を務めた後、1968年にケンブリッジ大学に戻り、レイモンド・レッパードからトリニティ・カレッジのフェロー兼音楽監督の職を引き継ぎました。また、音楽学部で教鞭も執りました。

翌年、マーロウはケンブリッジ大学室内合唱団を設立し、斬新でスタイリッシュな演奏スタイルで世界的に高い評価を得ました。しかし、1982年に結成されたトリニティ・カレッジ混声合唱団に注力するため、1989年にケンブリッジ大学室内合唱団を解散しました。

マーロウは、合唱作品の作曲や後進の指導に力を注ぐ一方で、編集者としても積極的に活動しました。『ニューグローヴ世界音楽大事典』や『オックスフォード英国人名事典』など、さまざまな書籍や学術雑誌に寄稿しました。さらに、ヨーロッパ各国をはじめ、オーストラリア、ブラジル、カナダ、日本、ニュージーランド、南アフリカ、台湾、アメリカ合衆国など、世界各地でチェンバロやオルガンのリサイタルを開催しました。彼はオルガンのソリストとしても、また合唱監督としても数多くの録音を残しており、最近ではヘンデルの『オルガン協奏曲』第14番をエンシェント室内管弦楽団と共演しました。

2006年9月には、長年務めたケンブリッジ大学トリニティ・カレッジの音楽監督を退任しました。後任にはスティーブン・レイトンが就任しました。その後もマーロウは、2013年6月16日に悪性リンパ腫で亡くなるまで、トリニティ・カレッジのフェローを務めました。

マーロウの音楽への情熱と卓越した才能は、多くの人々に影響を与え、彼の遺した音楽遺産は今もなお、世界中の人々に愛されています。

もう一度検索