リック・ハリス

ブラック・バート：リック・ハリスの生涯と功績

リック・ハリス（ブラック・バート）は、1948年または1955年1月30日にアーカンソー州テクサーカナで生まれ、2025年1月9日に76歳で亡くなったアメリカの元プロレスラーです。ノースカロライナ州ファイエットビル出身の彼は、ブラック・バートのリングネームで知られ、主にテキサスやフロリダなどアメリカ南部を舞台に、ヒール（悪役）として活躍しました。

初期のキャリア

リック・ハリスは、デビュー後、地元ノースカロライナを拠点とするミッドアトランティック・チャンピオンシップ・レスリングで、リック・ハリスの名でキャリアをスタートさせました。前座試合でベテラン選手たちと対戦し、経験を積みます。1981年には、NWAミッドアトランティックTV王座に挑戦するなど、着実にステップアップしていきました。

ジョージア、そして全日本プロレスへ

その後、リック・ハリスはジョージア・チャンピオンシップ・レスリングに参戦し、モンゴリアン・ストンパーとのタッグでワンナイト・タッグ・トーナメントに出場。ジャンボ鶴田&天龍源一郎組に敗れるも、海外の強豪との対戦を経験しました。1983年には、NWAアラバマ・ヘビー級王座を獲得し、同年8月には全日本プロレスに初来日を果たしました。

ブラック・バートへの変身と成功

1984年、リック・ハリスはフロリダで、ダスティ・ローデスのアイデアにより、リングネームをブラック・バートに変更しました。西部開拓時代のアウトローをイメージしたキャラクターは、たちまち人気を博し、ロン・バスとのタッグチーム、ロング・ライダーズを結成。バリー・ウインダム&マイク・ロトンドとのUSタッグ王座を巡る抗争は、ファンを熱狂させました。また、シングルプレイヤーとしても、ブラスナックル王座を獲得し、NWA世界ヘビー級王座にも挑戦するなど、トップ戦線で活躍しました。

ミッドアトランティックでの活躍とUWF、CWA

ブラック・バートは、古巣のミッドアトランティック地区にロン・バスとのロング・ライダーズとして参戦し、NWAミッドアトランティック・タッグ王座を獲得。しかし、後にバスと仲間割れし、ブルロープ・デスマッチで激突しました。その後、UWFなどを経て、1989年にはフロリダでサザン・フォースを結成。ナスティ・ボーイズらとタッグ王座を争いました。同年には、CWAヘビー級王座を2度獲得するなど、南部を中心に活躍を続けました。

WWF、WCW、そしてGWFへ

1990年代初頭には、WWFやWCWにジョバーとして出場。その後、ダラスの新団体GWFに定着し、GWFタッグ王座を獲得するなど、ベテランとしての存在感を示しました。1996年には、ビッグ・トレイン・バートのリングネームでWCWに単発出場しています。

トレーナーとしての活動と晩年

リック・ハリスは、選手として活躍する傍ら、トレーナーとしても活動し、ジョン・レイフィールドやネクロ・ブッチャーなど、多くのレスラーを育成しました。2023年3月に結腸癌が発覚し、治療を受けましたが、2025年1月9日、ステージ4の結腸癌の肝臓転移により自宅で静かに息を引き取りました。

得意技

テキサス・トラッシュ・コンパクター（セカンドロープからのダイビング・レッグ・ドロップ）
パイルドライバー
エルボー・ドロップ
アバランシュ・ホールド

獲得タイトル

リック・ハリスは、そのキャリアを通じて数多くのタイトルを獲得しました。以下はその一部です。

NWAアラバマ・ヘビー級王座
NWAブラスナックル王座（フロリダ版、ミッドアトランティック版）
NWA USタッグ王座（フロリダ版）
NWAナショナル・ヘビー級王座
NWAミッドアトランティック・ヘビー級王座
NWAミッドアトランティック・タッグ王座
WCWA世界ヘビー級王座
CWAヘビー級王座
GWFブラスナックル王座
GWFタッグ王座

リック・ハリス、ことブラック・バートは、アメリカンプロレス界に確かな足跡を残した名レスラーとして、ファンの記憶に残り続けるでしょう。

もう一度検索