リユニオン (ブラック・サバスのアルバム)

ブラック・サバス、伝説の再会を記録した『リユニオン』

『リユニオン』（Reunion）は、1998年にブラック・サバスが発表したライブ・アルバムです。1980年にリリースされた『ライヴ・アット・ラスト!』は、バンドの意向とは無関係にレーベルが発売したものであったため、オリジナル・ラインナップによるライブ・アルバムがバンド公認でリリースされたのは、本作が初めてとなります。

制作の背景

1997年、オリジナル・メンバーであるオジー・オズボーン（ボーカル）、トニー・アイオミ（ギター）、ギーザー・バトラー（ベース）の3人が再結集。サポート・メンバーとしてジェフ・ニコルス（キーボード）とマイク・ボーディン（ドラムス）を迎え、5月からオズフェスト・ツアーに参加しました。そして、12月4日と5日に地元バーミンガムで行われた公演では、オリジナル・ドラマーのビル・ワードが復帰し、完全オリジナル・ラインナップが実現しました。

本作には、ライブ音源に加え、スタジオ録音の新曲「サイコ・マン」と「セリング・マイ・ソウル」も収録されています。ただし、「セリング・マイ・ソウル」のレコーディングでは、ワードのタイム感が合わなかったため、ドラムマシンが使用されました。

反響と評価

アルバムはアメリカのBillboard 200で11位を記録し、バンドにとって『悪魔の落とし子』（1983年）以来、15年ぶりの全米トップ40入りを果たしました。スウェーデンでは、1998年10月29日付のアルバム・チャートで初登場11位となり、合計3週間トップ60にランクインしています。一方、全英アルバムチャートでは最高41位に終わり、トップ100入りは2週間にとどまりました。

第42回グラミー賞では、本作に収録された「アイアン・マン」が最優秀メタル・パフォーマンス賞を受賞し、その音楽的価値が改めて評価されました。

オールミュージックのEduardo Rivadaviaは、本作に5点満点中3点を付け、ライブ録音について「このアルバムの真価は、ライブ・レコーディングでありがちな楽曲のテンポアップを回避したことにある」と評価。新曲「サイコ・マン」については「スローなイントロとラストの激しいリフが素晴らしい」と評しました。

『エンターテインメント・ウィークリー』誌のJim Farberは、レビューでB+の評価を与え、「彼らの初期の作品は画期的だが、現在の水準からすれば音質的に弱く、抑制されていた」「ここでは、より押しが強く、ヘヴィであり、トニー・アイオミの邪悪なリード・ギターが際立っている」と評しています。

収録曲

ディスク1

1. ウォー・ピッグス
2. 眠りのとばりの後に
3. N.I.B.
4. フェアリーズ・ウェア・ブーツ
5. エレクトリック・フューネラル
6. スウィート・リーフ
7. スパイラル・アーキテクト
8. イントゥー・ザ・ヴォイド
9. スノウブラインド

ディスク2

1. 血まみれの安息日
2. オーキッド / ロード・オブ・ジス・ワールド
3. きたない女
4. 黒い安息日
5. アイアン・マン
6. チルドレン・オブ・ザ・グレイヴ
7. パラノイド
8. サイコ・マン
9. セリング・マイ・ソウル

参加ミュージシャン

オジー・オズボーン - ボーカル
トニー・アイオミ - ギター
ギーザー・バトラー - ベース
ビル・ワード - ドラムス
* ジェフ・ニコルス - キーボード、ギター

『リユニオン』は、ブラック・サバスの黄金期を支えたオリジナル・メンバーの再結集を記念する、ファン必聴のライブ・アルバムです。

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