リヴェンジ (戦艦・2代)

イギリス戦艦「リヴェンジ」：激動の時代を生き抜いた艦の生涯

「リヴェンジ」は、イギリス海軍が誇るリヴェンジ級戦艦の1番艦であり、同名艦としては9代目にあたります。1913年に起工、1915年に進水し、第一次世界大戦中の1916年には、歴史的なユトランド沖海戦に参加しました。この海戦で「リヴェンジ」は、第1戦艦戦隊の2番艦として奮戦し、旗艦「マールバラ」が損傷した後には、その役割を継承しました。ドイツ艦隊の巡洋戦艦「デアフリンガー」と「フォン・デア・タン」に計8発の命中弾を与える活躍を見せながらも、自身は大きな損害を受けることはありませんでした。

ユトランド沖海戦後、「リヴェンジ」は11月には全艦隊の副旗艦となり、マッデン海軍大将の座乗艦となりました。1919年には、スカパ・フローでのドイツ艦隊自沈事件に際し、自沈命令を出したロイター提督を乗艦させ、その行為を非難する場面もありました。しかし、ロイター提督は罪に問われることはありませんでした。

第一次世界大戦終結後も、「リヴェンジ」の活躍は続きます。1920年には地中海に派遣され、ギリシャへの支援やロシア革命の監視任務に従事。その後も、1922年には地中海に戻り、様々な任務に就きました。1928年には修理のためドック入りし、翌年には地中海艦隊に復帰。1935年にはジョージ5世の即位25周年記念の観艦式にも参加しました。

1936年に再び修理を行い、1937年には本国艦隊の第2戦艦戦隊に配属されました。第二次世界大戦が始まると、「リヴェンジ」は本国周辺海域や大西洋での船団護衛任務に従事します。1940年には、チャーチル首相が提唱したバルト海への攻撃作戦「キャサリン作戦」にも検討されましたが、結局実行されることはありませんでした。

太平洋戦争開戦直前、「リヴェンジ」はアーバスノット提督の旗艦として、東インド戦隊に所属しセイロン島に停泊。戦争勃発時にはシンガポールへの移動命令を受けていました。この頃、イギリス海軍は東インド戦隊と中国艦隊を統合し東洋艦隊を新編しましたが、その主力であった「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」はマレー沖海戦で沈没、大きな損失となりました。

日本海軍に対抗するため、イギリス海軍は「リヴェンジ」を含むR級戦艦、「ウォースパイト」、イラストリアス級航空母艦などを中心に東洋艦隊を再編しました。しかし、「リヴェンジ」はコンディション不良のため、1943年10月には予備役編入となりました。1944年には、主砲は他の戦艦の予備として撤去され、船体は練習艦として使用されました。そして1948年3月8日、廃棄処分が決定され、解体されることとなります。

「リヴェンジ」の艦歴は、激動の20世紀を象徴するものです。ユトランド沖海戦での活躍、地中海での任務、そして太平洋戦争での役割。その生涯は、イギリス海軍史において重要な位置を占め、多くの歴史家に研究されています。その記録は、後の世代に貴重な教訓と、海戦史における重要な一端を伝えてくれるでしょう。

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