リー・スミス

リー・アーサー・スミスは、1957年12月4日生まれ、アメリカ合衆国ルイジアナ州出身の元プロ野球選手です。右投右打の投手として、主にクローザーを務め、その圧倒的な存在感で多くのファンを魅了しました。

プロ入りとカブス時代

1975年、スミスはシカゴ・カブスからドラフト2巡目（全体28位）で指名され、プロの道へ進みます。当初は先発投手として育成されましたが、マイナーリーグ時代にランディ・ハンドリー監督の助言によりリリーフへ転向。これが彼の才能を開花させるきっかけとなりました。1980年9月1日にメジャーデビューを果たし、着実に実績を積み重ねていきます。

1982年には、ウィリー・ヘルナンデスと共にクローザーとして起用され、1983年には開幕から10試合連続無失点を記録。シーズンを通して防御率が2点を超えることなく、自己最高の1.65という素晴らしい成績を残しました。同年にはリーグ最多の29セーブを挙げ、オールスターにも初選出されるなど、球界を代表するクローザーとしての地位を確立しました。1984年から1987年まで4年連続で30セーブ以上を記録し、1987年までに球団記録となる通算180セーブを達成しました。

レッドソックス、カージナルス時代

1987年12月8日、アル・ニッパー、カルビン・シラルディとのトレードでボストン・レッドソックスへ移籍。その後、1990年5月4日にはトム・ブラナンスキーとのトレードでセントルイス・カージナルスへ活躍の場を移します。カージナルスでは、1991年9月28日にシーズン45セーブ目を挙げ、1984年にブルース・スーターが記録したシーズンセーブ記録に並び、10月にはリーグ記録となる47セーブを達成。1992年もリーグ最多となる43セーブを記録し、その実力を遺憾なく発揮しました。

ヤンキース、オリオールズ、エンゼルス、レッズ、エクスポズ時代

1993年には、6月に月間15セーブという記録を打ち立て、8月13日には通算358セーブ目を記録し、ジェフ・リアドンの通算セーブ記録を更新。しかし、同年8月31日にはリッチ・バチェラーとのトレードでニューヨーク・ヤンキースへ移籍することになります。カージナルスでは通算160セーブを記録し、これは2006年8月13日にジェイソン・イズリングハウゼンに更新されるまで球団記録として残りました。その後も、1994年にボルチモア・オリオールズ、1994年12月13日にカリフォルニア・エンゼルス、1996年にはシンシナティ・レッズ、1997年にはモントリオール・エクスポズと、数々の球団を渡り歩きました。

引退後

1998年にはヒューストン・アストロズとマイナー契約を結びましたが、メジャーの舞台に再び立つことはなく、現役を引退。18年間の現役生活で8球団を渡り歩き、通算478セーブという輝かしい記録を打ち立てました。2006年には、ワールド・ベースボール・クラシックの南アフリカ共和国代表の投手コーチを務めました。

野球殿堂入り

2019年、ベテランズ委員会の選出により、リー・アーサー・スミスはアメリカ野球殿堂入りを果たしました。長年にわたる球界への貢献と、数々の記録が評価された結果と言えるでしょう。

記録とタイトル

最多セーブ投手：4回（1983年、1991年、1992年、1994年）
ローレイズ・リリーフマン賞：3回（1991年、1992年、1994年）
ピッチャー・オブ・ザ・マンス：1回（1991年4月）
MLBオールスターゲーム選出：7回（1983年、1987年、1991年 - 1995年）
* 通算セーブ：478（歴代3位、2024年シーズン終了時）

リー・アーサー・スミスの背番号は、所属球団によって異なり、46、48、47、49を着用しました。

クローザーとして一時代を築き、多くのファンに感動を与えたリー・アーサー・スミス。彼の功績は、これからも野球史に深く刻まれることでしょう。

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