ルイボス

ルイボスについて

ルイボス（学名: Aspalathus linearis）は、マメ科アスパラトゥス属に分類される植物です。南アフリカの西ケープ州、セダルバーグ山脈一帯にのみ自生する貴重な植物で、針葉樹のような葉が特徴です。落葉時には葉が赤褐色に変化します。

名称について

属名の Aspalathus は、古代ギリシャ語でマメ科植物を指す言葉に由来し、種小名の linearis はラテン語で「線状の」という意味です。

一般的に「ルイボス」と呼ばれることが多いですが、アフリカーンス語では「ローイボス」と発音され、「赤い潅木」という意味があります。英語では「ロイボス」と発音されます。

利用について

ルイボスは、乾燥させた葉をルイボス茶として利用されることが一般的です。また、ルイボスリキュールとしても楽しまれています。

ルイボスは、乾燥した場所を好むため、自生地以外での栽培は難しく、商業的な栽培は成功していません。

ルイボス茶について

ルイボスの葉を乾燥させて作るルイボス茶は、健康茶として世界中で親しまれています。南アフリカでは年間12,000トンが生産され、その半分が輸出されています。

ルイボス茶は、現地では「rooibos tea」または「bush tea」、イギリスでは「redbush tea」、「South African red tea」、「red tea」などと呼ばれています。

日本では近年、コンビニエンスストアなどでもペットボトルやパック入り飲料として販売されており、身近な飲み物となっています。紅茶のような赤色で、ほのかな甘みがあり、カフェインを含まず、タンニン濃度も低いのが特徴です。

ルイボスの作用

ルイボスには、フラボノール、フラボン、ジヒドロカルコン、ビテキシンなどのフラボノイドを含む多くのフェノール系化合物が含まれており、抗酸化作用があることが知られています。研究では、油脂の酸化防止効果や、ルテオリンとクェルセチンというフラボノイドが特に強い抗酸化性を示すことが確認されています。また、ルイボスティー熱水抽出物は、高脂肪食品の抗酸化物質として利用できる可能性が示唆されています。

さらに、ルイボスティーには食後高血糖を改善し、血糖値の急上昇を抑制する効果や、血中の尿酸濃度を低下させる効果も確認されており、高尿酸血症や痛風の予防、治療に役立つ可能性も示唆されています。副作用もなく、安全に長期間摂取できるため、糖尿病や痛風のリスクを持つ人にも適していると考えられています。

歴史

ケープ地方の先住民コイサン人は、古くからルイボス茶の効能を知っており、薬草として利用していました。その後、ケープに入植したオランダ人が、紅茶の代用品として使い始めたとされています。

南アフリカでは、ルイボス茶は牛乳と砂糖を加えてミルクティーとして飲むのが一般的ですが、その他の地域ではそのまま飲むことが多いです。また、南アフリカのカフェでは、ルイボスのエスプレッソやカフェラテ、カプチーノなども人気があります。

その他

ルイボスは、厚生労働省の「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質（原材料）リスト」にも掲載されています。

関連項目

茶外茶
ハニーブッシュ - ハニーブッシュティー

外部リンク

ルイボス - 素材情報データベース＜有効性情報＞（国立健康・栄養研究所）
ルイボス - 日本新薬 山科植物資料館

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