ルイ1世 (ブルボン公)

ルイ1世ドブルボン：ブルボン家の祖、激動の生涯

ルイ1世ドブルボン（1279年 - 1341年）は、フランスの血統親王であり、クレルモン伯（1317年 - 1327年）、初代ブルボン公（1327年 - 1341年）、ラ・マルシュ伯（1327年 - 1342年）を歴任しました。名目上のテッサロニキ王（1320年）でもありました。彼は、後のフランス王家となるブルボン家の祖として知られています。

ルイ1世は、フランス王ルイ9世の末息子であるクレルモン伯ロベールと、ブルボン女領主ベアトリスドブルゴーニュ（ブルゴーニュ公ユーグ4世の孫）の子として生まれました。「大公（le Grand）」または「足萎公（le Boiteux）」とも呼ばれました。

生涯

ルイ1世は、1302年の金拍車の戦いと1304年のモンアンペヴェルの戦いに参加しましたが、どちらも敗北し、無傷で逃げ延びました。1310年には侍従長に任ぜられました。1317年に父ロベールの死により、クレルモン伯位とブルボンの所領を継承しました。1318年9月13日、フランス王フィリップ5世は、十字軍の計画を立てていたルイを十字軍の司令官に任命しましたが、1319年にジェノヴァでフランス軍と教皇軍の合同艦隊が皇帝派に敗れたため、十字軍の計画は頓挫しました。

1320年4月14日、ルイはテッサロニキ王位をブルゴーニュ公ウード4世に4万リーヴルで購入しようとしましたが、ターラント公フィリッポ1世が介入し、ウード4世が受け入れたのと同じ金額を提示しました。この契約の条件には、フィリッポ1世の長男とルイの娘ベアトリスとの結婚も含まれていました。

1327年、フランス王シャルル4世はルイを説得してクレルモン伯領とラマルシュ伯領を交換し、ルイをブルボン公に陞爵しました。ルイはフィリップ6世の信頼できる側近の一人であったため、1331年までにクレルモン伯領はルイに返還されました。ルイは1336年に教皇ベネディクトゥス12世がフィリップ6世の十字軍を中止するまで、フランスの十字軍計画に不可欠な存在であり続けました。

1341年に死去し、パリのジャコバン修道院の教会（現存せず）に埋葬されました。

家族

ルイ1世は、エノー伯兼ホラント伯ジャン2世の娘マリーダヴェーヌと1310年に結婚し、4男4女をもうけました。

ピエール1世（1311年 - 1356年） - ブルボン公。イザベルドヴァロワと結婚。ポワティエの戦いで戦死。
ジャンヌ（1312年 - 1402年） - 1324年にフォレ伯ギーニュ7世と結婚
マルグリット（1313年 - 1362年） - 1320年6月6日にジャン2世ドシュリーと結婚、1346年にユタンドヴェルメイユと結婚。
マリー（1315年 - 1387年） - 1330年1月にニコシアでガリラヤ公ギー（キプロス王ユーグ4世の子）と結婚、1347年9月9日にターラント公ロベルトと結婚。
フィリップ（1316年 - 1327年以降）
ジャック（1318年）
ジャック1世（1319年 - 1362年） - ラマルシュ伯。ブリニェの戦いで戦死。後のアンリ4世から始まるフランス王家はジャック1世の末裔です。
ベアトリス（1320年 - 1383年） - 1334年にボヘミア王ヨハンと結婚。1347年頃にウード2世ドグランシーと結婚。

クレッシー女領主ジャンヌドブルボン＝ランシーとの間に以下の庶子をもうけました。

ジャン（1297年頃 - 1375年） - "バタール・ド・フランス"。ロシュフォール、エブルイユ、ベセー・ル・ゲラン、ベルナーヴ、ジェザ、セランおよびラ・ビュール領主。ベリー公とブルボン公の顧問、フォレの副隊長、3番目の妻としてアニェスシャルーと結婚しました。
娘（長女） - "バタルド・ド・フランス"。1317年にジラールドシャティヨン＝アン＝バゾワと結婚
ギー（1299年頃 - 1349年） - "バタール・ド・フランス"。クレッシー、ラ・フェルテ＝ショードロンおよびモンパンシエ領主（1346年に嫡出と認められたが、同年に再び庶出となる）。1315年にアニェスドシャステルと結婚、1330年から1333年の間にイザベルドシャステルペロンと結婚。
ジャネット - "バタルド・ド・フランス"。1310年にギシャールドシャステルと結婚。

ルイ1世ドブルボンの生涯は、中世フランスの政治、軍事、そして家族関係が複雑に絡み合った時代を象徴しています。彼の血筋は、後のフランス王家へと繋がっていくことになります。

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